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第1227回
新発見の古代都市が語り出す!
インダス文明の謎

2012年4月28日 夜9時〜

ドーラーヴィーラーへの道のり

今回「世界ふしぎ発見!」で初めて取材した遺跡ドーラーヴィーラー。その全貌を楽しんでいただけましたでしょうか。この遺跡、ガイドブック等には殆ど出ていないかと思います。そこで、遺跡への道のりを紹介します。

ドーラーヴィーラーは、インド北西部にあるグジャラート州カッチ地方(県と表記されることもあります)にあります。パキスタンとの国境まで50キロ。このことが、この遺跡へのアクセスを困難なものにしてきました。それは印パ両国の間で緊張が続いているからです。遺跡の発掘が始まったのは、1989年。当時は、外国人の立ち入りはかなり厳しく制限されていました。2000年以降、徐々に緩和されていきましたが、この地域に外国人が行く場合、インドの国のヴィザとは別に、ENTRY PERMIT(入域許可)を取る必要があったり、また、遺跡に入れても写真撮影が厳しく制限されたりしたようです。(因みに、インドではこのような地区は中国との国境にもあり、番組が一昨年取材したナガランドもそうでした)。 そんな中、近年、ドーラーヴィーラーの取材制限が緩和されているようだという情報を知り、今回の取材が実現できました。
前置きが長くなりましたが、神秘の遺跡への道順です。

まず東京からデリーに入り、そこで国内線に乗り換え、ベースになる町は、グジャラート州アーメダバードに向かいます。フライト時間は1時間余り。
グジャラート州は、タージマハルとかアジャンタ石窟など誰もが知っているような観光地がないため、海外からの観光客は比較的少ない地域です。しかし、インダス文明の時代から、建国の父ガンディー縁の場所まで、インド4500年の歴史のエッセンスが詰まった、魅力的な州なのです。
アーメダバードからは車をチャーターし陸路でドーラーヴィーラーを目指します。ドーラーヴィーラーまでは約300キロ、6時間から8時間の道のりです。(私たちは途中撮影しながらなので正確な時間と距離を計っていないのをお許しください)途中の道路は一部有料の高速道路、予想以上に整備されていて移動は快適でした。

とはいうものの、道中、日本の高速道路では絶対出会わないあるものに何度も出会いました。それは、二頭の牛が引く二輪の牛車です。実はこの牛車と、うり二つの模型がインダス文明の遺跡から見つかっているのです。つまり、4500年も前からほとんど形を変えず使われ続けている代物です。引いている牛は、南アジア原産の牛の種類「コブウシ」です。背中に大きな一瘤があるのが特徴です。これは、筋肉と脂肪から出来ているそうです。インダスの時代からコブウシは聖なる動物だったと考えられています。そして、インドが現在のようにヒンドゥー教が広まってからも、神様の乗物として崇められています。牛車のように使役に使われたり、乳を搾られ利用されたりしますが、決して食用にされることはありません。

(イメージ)

アーメダバードを出て7時間、前方に不思議な景色があらわれました。気温は35度にもなるインド、それなのに、雪が積もったような真っ白な大地が広がっているのです。白い物の正体は雪ではなく塩です。ここは、「カッチ湿原」と呼ばれ、海に繋がっていて夏のモンスーンの時期などには海水がたまる場所です。
因みにこのカッチ湿原は野生の生き物の楽園です。私たちは見ることが出来ませんでしたが冬の間、フラミンゴたちが越冬のため訪れ、壮観な眺めになるとか。また、この橋を渡る前後でニルガイ、野生ロバ、孔雀などと出会えるチャンスもあります。

(イメージ)
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そして目指す遺跡ドーラーヴィーラーはこの橋を渡ってから40分。塩の大地に囲まれた丘の中腹にあります。
朝一番にアーメダバードを出ても、遺跡に着くのは2時頃です。必然的にここに宿泊しないと遺跡を撮影することが出来ません。宿があるのか?私達は、リサーチの段階でそれを一番心配しました。最悪テントでの宿泊も覚悟していましたが、それは杞憂に終わりました。数年前、州の観光公社が作ったホテルがオープンしていたのです。設備はシンプルですが、お湯のシャワーもあり快適に過ごすことが出来ました。日本から沢山インスタント食品も持っていきましたが、ホテルにはレストランもあり日本からの食料は余らすことになってしまいました。

今回の番組を見ていただき、ドーラーヴィーラーに行ってみたい!と思われた方もいるのではないでしょうか。そんな風に思われた方へのアドバイスです。まず、遺跡までの公共交通機関はありません。アーメダバードで、車をチャーターする事と、ホテルの予約をする事が必須です。現地の信頼できる旅行会社とコンタクトすることをお勧めします。また、先に書きましたが、カッチ地方に入るにはかつて特別の許可が必要でした。私たちが取材した今年の3月、それは必要有りませんでした。しかし、許可の手続きは流動的です。現地の旅行会社から最新情報をとることも欠かせません。

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