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第1218回
中国・四川省パンダ愛情物語 世界一小さなコパンダと飼育員

2012年2月11日 夜9時〜

感激!パンダを心から愛する飼育員

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パンダ基地には59頭のパンダがいますが、飼育員さんなどの職員の数は300人。どれほど大切にされているかその数でわかりますよね。そしてベテランから20代の若い職員まで、みなさん共通するのは「パンダが好きでたまらない」(笑)。みなさんパンダと関わることを夢見てきて、それを実現した人たちなんです。私も数日取材していてパンダに個性があることがわかりましたが、飼育員さんはすべてのパンダを判別できていました。パッと見では分かりにくいですが、よく見ると顔もそれぞれ違うんです。それにしても飼育員さんたちの尽力には、もう頭が下がるばかりです。まさに誠心誠意。パンダのお世話は本当に重労働で、ランチタイム以外は大げさでなく片時も休む間がないんです。しかも出産してからコパンダの健康状態が安定するまでは、24時間体制のお仕事です。パンダには、それぞれ部屋があるのですが、その横に担当飼育員の部屋もあるんです。

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この部屋は仮眠室みたいな小さな部屋なのですが、その部屋に入るには、パンダの部屋つまり檻の中からしか入れない(笑)。そこに泊り込んで、夜中でも何か異変がないかチェックしたり、様子がいつもと違うとすぐにパンダの部屋へ飛んでいくそうです。いくら可愛いとは言え、そこまで重労働でいつも気を張っていないといけないというのは辛いだろうと思って「大変なお仕事ですから、辞めたいと思うこともありますか?」と伺ったところ、辞めたいとは一度も思ったことがないとみなさんおっしゃっていました。素晴しいパンダ愛(笑)。脱帽です!

キュートでミステリアスな動物パンダ

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パンダの数が減ったのは、乱獲や生息域の縮小という絶滅危惧種によくある原因もありますが、古来希少動物だったそうです。昔から人が野生のパンダに遭遇することはほとんどなく、竹林の隠遁者と呼ばれていました。熊のように人里に来ることがない動物なんですね。パンダ基地で周辺の山をパトロールしているレンジャーの方によると、10年間で野生のパンダに遭遇したのはたった1回だそうです(笑)。その方も初めは、熊かと思ったそうですが、よく見るとパンダで、アッと思ったときにパンダもじっとその方を見ていたそうですが、すぐにスーッと藪に消えていったそうです。夢のような一瞬だったとおっしゃっていました。それほど野生のパンダと会うことが難しいので、パンダの保護と繁殖の活動は失敗と試行錯誤の連続だったそうです。野生の生態が全くと言っていいほどわからないから研究所で一から飼育方法を考え出さなければいけないのです。私がコパンダのお世話をしたときにした、ミルクをあげたら背中をさすってゲップをさせるとか、便を促すためにお腹をさするとかの方法も、何年もかかってあみ出した方法なんだそうです。

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赤ちゃんに与えるミルクも、あらゆる動物の母乳や飼育用の粉ミルク、人間の母乳まで試したけれど結局パンダに必要な免疫力をつけるためには、やはりパンダのお乳じゃないとダメだということがわかって、子育てが上手なベテランのメスに自分のコじゃない赤ちゃんにも母乳を与えてもらう乳母のシステムをみつけたそうです。パンダの保護に携わる研究員さん飼育員さんたちの地道な努力のおかげで、今もこの可愛い動物を見ることができるのだとつくづく感じました。

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