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第1187回
ネパール大紀行 ヒマラヤと女神に守られし大地

2011年5月21日 夜9時〜

生きた神様!?今回は想定外の遭遇が?

人間の姿をした神様として崇められるクマリです。ヒンズー教の女神の生まれ変わりとされ、幼い少女の中から選ばれるんですが、国の守り神として歴代の国王も祈りを捧げ、その予言に耳を傾けてきたそうです。実は今回の取材で「クマリに会う」ということは想定していなくて、撮影できたのは本当に偶然で幸運でした!クマリの暮らす館に行くと、中庭のような場所から窓を通してその姿を見るチャンスはあるんですが、撮影はできないので、初めはその様子を言葉だけでレポートすることになっていました。でもカトマンズで取材している間に、たまたまお祭りがあって、そして私たちがちょうどクマリの館近くにいた時に「今日、クマリが現れるらしい」と情報が…!

間近で見たクマリの様子は?

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やっぱりすごく神秘的ですね。子供というと社会や宗教の中でもまだ自然に近いというか、理屈の通じにくい存在だと思うけれど、それをある意味逆手にとっている感じがしました。自然そのものを抱えた子供で、処女を生き神様とするというのは、意外と理にかなっていることなのかもしれないと。それに子供って顔がきれいだし、大人の女性でも童顔の美しさを持った人っていますよね。だからその顔を白く塗ったり、アイラインを入れたりするとそれだけで妖艶なんですよ。本人の意識にかかわらず、見る側はその姿から色んなものが見て取れて、大人の女性の魅力みたいなものも秘めているし、荒々しい自然のままの何かも抱え込んでいるような…。
クマリにとって館の外は下界で足をつけることが許されないので、男の人に抱えられてお神輿に乗せられるんですが、その時も完全におすましなんです。びっくりしないし、喜びもしないし、冷静に目だけを動かして辺りを見ていました。たまに目を伏せたりするとそれがまたドキッとする表情で、「うわ〜、きれいだな!」と吸い込まれるような感じ。完全にのまれていました…。これは頭で考えても分からないんだけど、少女の生神クマリがネパールの人たちに熱狂的に支持されるのを納得せずにはいられませんでした。

とても感慨深かったブッダ生誕の地?

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詳しくはないけれど、大学時代から仏教の勉強をするのは大好きだったから、ブッダ生誕の地に行けることはすごく楽しみでした。シャカ王国の王子だったブッダの生まれたお城・カピラヴァストゥは、手塚治の「ブッダ」第一巻のサブタイトルにもなっていたので、「すごく不思議な響きだな〜」って思いながら、自分の本棚にあるその名前をずっと見ていたんです。

シャカ王国の末裔

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カトマンズ盆地の古都、パタンに住むシャカ族の人たちを訪ねました。お会いした方はみなさんすごく目力があるというか、やはり選ばれた特別な人たちなのかと思ってしまうくらい、静かな情熱を感じさせる方が多かったですね。ブッダもこういう雰囲気の人だったのかな?と想像しました。また彼らが代々、生業にしてきたのは仏像を作ることで、ものすごい勢いの炎で銅を溶かしながら作業されるんですが、その炎に照らされた顔とインタビューに応えて下さると時の顔とでは、全然様子が違って見えたのも印象的でした。作業の間は本当に神がかっているというか…。彼ら自身、特別な仏教徒という感じではないけれど、仏像を作り続けることで精神が研ぎ澄まされている、そんな印象を受けました。

ネパールのさらなる魅力を発見?

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シャカ王国の末裔を訪ねた古都パタンは、建物がこれまでちょっと見たことのない種類で、その様子はかなり面白かったです。仏塔に近い形でそびえているけれどソロバンの玉みたいな形をしていたり、素材はレンガで、木の窓枠が入っていたり。そんな景色に土埃が立つと、大雑把だけれど「中世アジアってこんなところだったのでは?」と想像が膨らむんです。中国風、西アジアの雰囲気…、はたまたバリやタイのテイストもミックスしていて、人々も色んな民族衣装を着て普通に歩いていました。

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だから違う文化、歴史の中にポンと入ってしまった感覚で、ネパールがアジアのタイムマシンと言われる理由も分かる気が…。これまでも世界遺産の遺跡や建物を見る機会がありましたが、また違うワクワク感を覚えました。ネパールというと世界の屋根・ヒマラヤの印象が強かったけれど、そんなタイムマシン的な面白さや、今も世界中から様々な巡礼者が訪れるブッダ生誕の地があって時空を超えた魅力が詰まってますね!

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