監修ドクターが解説 “片っ端から、教えてやるよ。”|日曜劇場『ブラックペアン』

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監修ドクターが解説 “片っ端から、教えてやるよ。”
本作の医療監修を担当している山岸先生に、
「ブラックペアン」にまつわるさまざまなギモン
お答えしていただくコーナーです

vol.1“医療監修”とは?

脚本の構想

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今回は脚本の段階から参加させていただき、スタッフの方々と事前に何度も打ち合わせをしました。心臓外科医が日々何を考え悩み、何を喜びとして、何を恐れているのかなど様々なことをお話しさせていただきました。心臓外科医でも色んな人がいて、さまざまな考え方や性格を持ち、葛藤し、嫉妬し、妬み、お互いの足を引っ張り合い、保身に走り、日々愚直に努力を惜しまず、格好つけて、自分を誇示して生きています。そのようなことに加え、研修医の時に自分が受けてきた教育はどんなで、どんな外科医がいたかなど、具体的な体験談をスタッフの方に伝えました。実際に『ブラックペアン』の脚本に登場するエピソードはリアルにあり得る話ばかりで、渡海、世良、高階、佐伯とキャラの濃い人物が多数登場しますが、同じような心臓外科医は私の周りにも実在しています。

撮影の立会い

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撮影現場にも立ち会わせていただき、演者さんと共に出来る限りのリアリティを追求しています。手術室の器具の配置、器械台の道具の配置は同じ病院で働くオペ看護師さんに協力してもらい、実際我々が行っている現場のまま再現しています。術野からの出血の仕方、術野のドレープに着く血液の付着具合、役者の方々のガウン(手術着)に着く血液の様子、全てあり得る形で再現しています。役者さん方にはいろいろな所作を練習してもらいました。例えばガウン(手術着)を着る、着せるのは結構難しいのですが、皆さんに練習してもらい、3回目くらいの手術撮影では二宮さんは相当ガウンを着るのが早くかっこよくなっており、おそらく私よりも早く着れるようになっています。糸結びも皆さんかなり練習されており、おそらく外科研修医より早く上手になっているので、本当の外科医になっても通用すると思います。渡海、世良、高階、佐伯、皆さん縫合の場面では実際に心臓模型を縫って、糸を結んで、メッツエン(ハサミ)で切っています。猫田や藤原の器械出しも実際のオペ看護師並みに上手で、現場でも通用するのではないかと正直驚いています。
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山岸先生に糸結びを習う竹内さん
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こちらは二宮さんが結んだもの
二宮さんをはじめ皆さん非常に器用で、複雑な動きでも1回教えるとリハーサルの段階でほぼほぼ仕上がって、本番ではもう一流の心臓外科チームの所作となっているのには正直驚きました。自分が10年以上かかって習得したテクニックを数分で超えられてしまう、ある意味屈辱的な瞬間が数多くあり、一流の役者さんたちは本当にすごいと逆に学ばせてもらっています。

Q. タイトルにもなっている“ペアン”とはどのような器具?

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ペアンは比較的挟む力が強い組織やチューブ、布などを挟んで止めておく道具です。ハサミのような形をしていて、先端が曲がっている曲がりペアンと、まっすぐな直ペアンがあります。ドラマの中で登場する“ブラックペアン”は佐伯教授が手術の仕上げに使う特製もの。佐伯教授がブラックペアンを使う=手術成功を意味する。

PROFILE

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イムス東京葛飾総合病院 
心臓血管外科
医長 山岸俊介
日本外科学会外科専門医
日本心臓血管外科学会専門医
2006年慶應義塾大学医学部卒業。
仙台厚生病院、埼玉医大国際医療センター、イムス葛飾ハートセンターを経て、現在イムス東京葛飾総合病院心臓血管外科医長。
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