10月スタート
10月スタート
香川県青景島出身。島で有数の裕福な家庭で、優しい父母・弟とともに何不自由ない生活を送っていたが、高校2年の秋、豹変して愛人を家に連れ込んだ父に、母と弟と追い出されてしまう。精神不安定になってしまった母に振り回されながらも、弟と苦労しながら生きていくことに。食べることにも困ったため、冷蔵庫に大量の食べ物をストックしていないと落ち着かない。両親の歪んだ関係を目の当たりにしたことで、愛とは信じるに値しないものだと知り、自分の力だけで人生を切り開いていこうと決意する。心を許せたのは、クラスメートの成瀬慎司ただ一人だった。
高校卒業後、東京の大学に進学。ビル清掃のアルバイトをして、学費や生活費を捻出しながらボロアパート・野バラ荘で暮らす苦労人。あることをきっかけに、野バラ荘の住人・安藤望と西崎真人と親しくなる。22歳の冬、成瀬と西崎とともに「ある計画」を立てたことでセレブ夫妻・野口貴弘と奈央子殺人事件に関わる。
香川県青景島出身で希美の高校の同級生。心優しく落ち着いた性格だが、生真面目で何事も遠回りしがち。島で一番の料亭「さざなみ」の一人息子だが、高校時代、「さざなみ」が経営不振に陥り、何者かの放火によって店と家が焼失してしまう。
進学もあやぶまれる中、希美の助けで奨学金を得て東京の大学に進学するが…。
22歳の冬、希美を助けるため「ある計画」に関わることに。
長崎県千早島出身。
早くから自分の能力に気づき、広い世界で自分を試したいと努力を重ねる。野バラ荘で知り合った希美の合理主義・上昇志向に自分に似たものを感じ、将棋を教わったり、一緒にスキューバダイビングの免許を取るなど兄妹のような関係だったが…。
神奈川県出身。小説家志望。
幼い頃のとある事件以来、火を恐れている。
大学には在籍しているが、ほとんど野バラ荘の自室に閉じこもり、小説を書いている。
他人と関わることよりも小説を書くことに没頭していたが、希美や安藤と出会い、少しずつ外の世界に目を向け始める。そんなある日、野口貴弘の妻・奈央子に出会い、恋におちる。奈央子を助けるため、希美・慎司とともに「ある計画」を立てる。
野口貴弘殺害の罪で服役。
高野茂の妻。料亭「さざなみ」の放火事件で救助に向かった際、煙を吸い込み声が出なくなってしまう。何年も放火事件の真相を追う夫に、いまも心を痛めている。
晋の愛人。食料を渡すたびに、希美に土下座をさせる。
成瀬の父。老舗料亭「さざなみ」の店主。
赴任したばかりで知り合いのいなかった高野に島についてのアドバイスをして以来、高野とは友人関係。
成瀬の母。「さざなみ」の経営が立ちいかないことで夫との関係も冷え切っており、もはや不満もピークに。
希美の弟。姉を助けるため、中学を卒業したら働くと宣言する。
希美の父。杉下家の婿養子となって義父が経営していた大手建設会社を引き継ぎ、会社の業績を伸ばしてきた。
そんなある日、愛人の宮本由妃と住むために、突然早苗、希美、洋介を家から追い出す。
希美の母。家を追い出されても夫に執着。夫に嫌われないよう美しくいるために、養育費を使って高額な化粧品や宝石を買いあさる。
希美たちが住む野バラ荘の大家。
野バラ荘は大工だった彼の父が建てた形見のようなもの。戦争中も母と二人で守ってきた。アパート周辺に都市開発の計画が持ちあがり、頻繁に不動産業者がやってくるようになる。どうすれば野バラ荘を守れるのか、法学部の西崎に相談を持ちかける。
大手商社に勤務し、高層タワーマンション・スカイローズガーデン48階に妻と住むエリート。自信に溢れ、誰からも尊敬される社会人としても家庭人としても頼りがいのある存在だったが…。
「ある計画」の当日、奈央子を殺害、西崎に殴打されて死亡?
野口の妻。専業主婦。家庭的な性格で、愛する貴弘のため尽くし支えようと努力する。
夫とともにボランティア活動を積極的に行っており、そこで希美と出会い交流を深めていく。希美の部屋を訪ねるうちに、同じアパートに住む西崎と親しくなる。しかし、西崎との関係を夫に知られてしまい、生活が一変していく。
香川県青景島出身で島の駐在所に勤務する警察官。料亭「さざなみ」が火事になった時に不在だったため、代わりに現場に駆けつけた妻が煙に巻かれてしまう。
時効を来年に控えて未だ犯人のみつからない「さざなみ」放火事件を解決しようとしている。放火犯は希美か成瀬ではないかと考えているが、確証はない。“タワーマンション夫妻殺人事件”の現場に希美と成瀬がいたことを知り、関係者それぞれに近づいていく。