金曜ドラマ「MIU404」金曜よる10時

インタビュー:vol2志摩一未役 星野源

作品への出演を決めたきっかけを教えてください。

親友の松重豊さんに、以前から「塚原あゆ子監督作品に源くんは絶対出た方がいい!」と言っていただいていて。いつかご一緒したいと思っていたらオファーをいただいたので、特に内容も聞かずに「やります」と答えました。やはり親友が言ってくれたことに間違いはなかったと確信しています(笑)。しかもバディを組む相手が『コウノドリ』でご一緒させていただいた綾野剛君ということもあって、この作品は面白いことができるに違いないと思いました。僕自身、『アンナチュラル』が大好きなドラマなので、監督の塚原さん、脚本の野木さん、プロデューサーの新井さんっていうこのチームに参加できていることが嬉しいですし、撮影現場に来るのが楽しみでしょうがないです。

台本を読んだ感想を教えてください。

台本を読んでいると、どの話でも本当にワクワクさせられるんですよね。1話完結型ではあるんですけど、「普通の刑事ドラマだとここで終わるよな」っていうところの先まで描かれている。ただの事件解決では終わらなくて、登場人物のその後をちゃんと想うように描かれているんです。シリアスなドラマではありますが、コメディータッチの部分もあって、台本を読むのが毎話、本当に楽しみですね。野木さんとはドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』と映画『罪の声』でご一緒させていただき、これが3作品目になるのですが、野木さんのオリジナル作品に出演させていただくのは、初めてで。そんな中、このドラマの打ち合わせで野木さんから「良い人じゃない星野源が見たい!」って言っていただいて、僕も「そう思います!」って(笑)。それが台本を読んでいてもすごく伝わってきますし、志摩を演じられるのが本当に嬉しいです。

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志摩の印象を教えてください。

ひとことで言うとすごいデキる男なのに、結構適当に見える人です。頭が良くて、何手も先を見通せるからこそ最後まで疑う事をやめない。ちょっと塚原監督に似ている気がします。口調が荒い部分とかはもちろん違いますけど(笑)。適当に見えるけど、規則はきっちり守る、志摩の中にはそんな相反する要素が混在していて。伊吹に「刑事ドラマに憧れなかった?」って聞かれて、「遊びじゃねぇ!」って怒鳴るシーンがあるんですけど、志摩の趣味って“刑事ドラマ観賞”なんですよ。そうやって怒りながらも、家に帰ったら刑事モノのDVDが並んでるはずなんですよね(笑)。だんだんと明かされていく過去も含めて、ミステリアスな人だなとも思います。

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綾野剛さん演じる伊吹藍とはどんなバディになりそうですか?

どちらかというと、伊吹がボケで志摩がツッコミですが、それぞれの人間性が良い具合に無茶苦茶で(笑)。なので、いわゆる“デコボココンビ”だったり、“正反対の2人”みたいなバディではないかな。2人とも人間としての曖昧さみたいなものがあるし、それぞれが考える正義と悪があるし。ただ、そんな2人がこれからだんだん名バディになっていくと聞いているので、そういうものを感じさせる予感めいたものはあると思います。掛け合いのシーンは車中が多いんですけど、狭い空間で繰り広げられる会話劇の機微を楽しんでいただけたら嬉しいです。

元機動捜査隊の方に取材されたそうですね。

一番気になったのが、「ずっと車の中にいて、相棒と何を話しているのか」ということだったんです。お聞きしたら「全部話す」と。家族よりも長い時間一緒にいるので、生まれた頃の話から初恋の人との思い出や家族のこと、もちろん仕事の話もされるそうで。でも毎日話すのが「今日何のつけ麺食べに行く?」ということだったり(笑)。良い意味で普通の方で、すぐに仲良くなれたのが嬉しかったです。ただ、和やかに話をしてくださっていながらも、目の奥に生死をかけた仕事をしてきた方ならではの緊張感みたいなものが垣間見えたのが印象的でした。

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最後に作品の見どころをお願いします。

僕もそうだったんですけど、機動捜査隊って何となく聞いたことはあるけど、どういう仕事をしているか分からない方が多いんじゃないかなと思うんです。実は潜入捜査を行ったり、24時間というタイムリミットがあったり、このドラマではそんな機捜を主軸に描いています。特に1話ではこのご時世あまり見かけなくなったカーアクションをがっつりやらせていただいています。昨今痛ましい事件としてもニュースになっている煽り運転を題材に、さらにそこから派生した意外な物語が待ち受けています。ご飯やお菓子を食べながらみんなでわいわい言いながら見ても「面白い」と思っていただける作品だと思いますが、1話からしっかり見て登場人物の感情を想像していくと、また違ったストーリーが見えてくるドラマになっていると思います。普通だったら「ここで終わるだろうな」というその先までちゃんと描かれていて、「まだ先があるの!? ここで終わらないんだ!」みたいな楽しさが毎話あると思いますので、ぜひ多くの方にご覧いただけたらと思います。

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