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インタビュー

日曜劇場「流星ワゴン」:最終回 2015年3月22日 日曜よる9時〜放送
出演が決まったときの感想を聞かせてください。

原作が素晴らしい作品で、興奮しました。主人公の一雄は日常の社会をとても大切にして、善良にまっすぐ生きていこうとする、それが難しくなってきたときに父親が「朋輩」=親友となって、ともに旅をします。ぼくも父親は憧れと言いますか距離を感じることもあって、「友だちだったらな」と思うことがありますので、どう演じるか難しいと思いながらも楽しみでした。しかも共演が香川さん、井川さん、吉岡さんたちと、尊敬している方々ばかりで是非参加したいと思いましたし、ご一緒できて本当に光栄です。
日曜劇場の出演は初めてで、ぼくの好きなタイプのワーカーホリックのスタッフばかりで、早朝から夜中まで何度も本番をやるというものすごいエネルギーにびっくりしています。一日が終わると本当にへとへとなんですけれど、みんな明るくて楽しんでいるこのチームの一員になれて嬉しいです。
「永田一雄」という人を演じるにあたり、意識していることはありますか?
一雄は善人で、社会的にもちゃんと責任をまっとうしようとする人で、優しさで行動する人。そこが大前提ですが、父親である忠さんの影響がとても大きいです。忠さんは厳しさや暴力的なエネルギーで生きてきた人ですが、一雄はそれがイヤだから、「優しさ」で行動しています。だけど忠さんも一雄も、表立ってではなく、こっそりと先回りしようとする人で、その方法が独善的だったり、ちゃんと相手と向き合わなかったりと、行動する原理は違うんですけれど、結果的には親子でものすごく似てしまっています。一雄が父親の行動から離れようとすればするほど、逆に似てきてしまうというところを一番大事にしているので、そこを出していければと思っています。
香川さんとは今回「親子」ということですが…

実際どうなんだろう、と思っていましたが、やってみたら違和感がまったくなくて、香川さんにも「違和感あります?」と聞いたら「ない」とおっしゃっていて…20代の頃からご一緒させていただいていて、これまで敵対している役が多かったんですけれど、本当に恐ろしい俳優だと思いますね。迫力があって、年を重ねるごとに密度が濃くなって太い幹となっていく、いつかこうなりたいと思う方です。今回ファンタジーの部分もあるのでいろいろ相談してアドバイスをいただくのですが、その度に本質に帰らせてくれたり、別の視点で教えてくださる頼れる先輩であり、今回でいうと頼れるお父さんです。今は息子としてずっと一緒にいて、横顔とか似てきましたし、休憩時間も甘えています(笑)。
共演の井川遥さん、また吉岡さんやお母さん役の倍賞さんの印象はいかがですか?

井川遥さんが奥さんで、とても光栄です。ただ台本を読んでいると、一雄は本当にまじめで優しいけれど、どこか鈍感でそのために彼女が何かを溜め込んで、離れていってしまうので…イヤですね(笑)。
ご本人はすごく明るくて楽しい方なんですけれど、さびしそうなイメージを持つ俳優だと思っています。シーン撮影の前に部屋に飾る家族写真を撮ったのですが、それがあまりに幸せで、未来から来た一雄としてはこれがとんでもなくなっていくと思うとつらいですね。でも、物語がすすんでいけば井川さんが本来持っていらっしゃるイメージに近づいていくと思うので、それを想像すると心が震えます。
吉岡さんとは同い年なんですけれど、ぼくからすれば大先輩で、しかもずっと一観客としてファンでした。ぼくが一番目指しているところを生きている方で、本質を表現している尊敬する俳優です。共演させていただいてるだけでありがたいのに、その演技を目の前で見させていただいて毎回感動しています。お母さん役の倍賞美津子さんとは、これまでも何度か共演させていただいていますが、今回は「母と息子」という役柄ですから、今までで一番近く感じています。以前は緊張してあまりお話も出来なかったのですが、今回は撮影以外のときもいろいろお話ししていただいていて楽しいです。
忠さんの朗らかさとはまったく違う雰囲気で、一雄さんは大声を出すことも多いですが、演技をする上で香川さんのお芝居を受けて変わってきたりするんですか?
常に人生のターニングポイント、人生の一番極まった瞬間に戻っているので、運命を変えようとするとキャラクターとしてもエネルギーを使いますし、ぼく自身も演じていて感情が爆発せざるを得なくなってきます。やはり切迫した状況ですし、いつ自分がそこからまた引き離されるかわからないという時間の問題もあります。忠さんと言い合っていると、実際にそうするつもりはなかったのに、香川さんも泣いてきているし、こっちも高ぶってきて堪えてがまんしているのに感情が表にもれてしまうことはよくありますね。
過去との対比で、嵐のような忠さんに理不尽に振り回された過去が常にフラッシュバックするので、監督が「過去はこんなだったんだから、もっと感情を出して」と、バランスを見てくれて導いてもらっています。
ワゴンで一雄、忠さん、橋本さんの三人が揃うときの雰囲気はまた違っていますね。

橋本役の吉岡さんが、永田父子とはまったく違うテンションですからね。今回、死んでしまった人と死にかけている人、死んでしまいたいと思っている人といて、ワゴンのシーンでは本当に不思議なんですけれど死んでいる人が一番朗らかで楽しくて、その次が死にかけている忠さん、コミカルですごく人間らしい、生きている一雄が一番シリアスで、ということは意識しています。
鞆の浦での撮影はいかがでしたか?
本当にキレイなところです。でも風景だけでなく住んでいる方々も穏やかで明るくて、とても居心地がよかったです。ここに忠雄という人がいて、一雄が生まれ、東京に出て…ということが実際に行ってみたことでイメージできました。後半にも撮影があるということですし、早くまた行きたいです。
ご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
ある一定以上、人生を生きてきた人には共感する部分があると思います。ファンタジーでもありますけれど、それぞれの登場人物が抱えている感情は、リアルに生きているぼくたちが持っているものとまったく同じです。
演じていても本当にステキな話だと思っています。先日の試写会で、ぼくも皆さんと一緒に初めて見ましたが、出演しているにも関わらず泣いてしまいました。現実のつらさよりも「父親のこの人と親友だったらどうなるんだろう」という温かい気持ちになります。見終わって一週間、人に対して温かく過ごしていただけるドラマです。ご家族でご覧になったら一緒に話しをしてみたり、離れて暮らしていらっしゃる方は、見終わったら親に電話をしてみてください。そういう気持ちになってくださったら嬉しいです。

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