第4話 2013年8月8日放送
花火をする一弥とあやめ
あやめ「ねえ、見て見て！キレイ！」
一弥「…子供の頃、一度だけ一緒に花火やったよね」
あやめ「あ、覚えてる？」
一弥「あやめちゃんの誕生日に。そう言えば、もうすぐか…」
あやめ「私が一人ぼっちだって知って、ヒロくんが『花火やろう！』って誘ってくれたんだ。嬉しかったなぁ」
一弥「…」
あやめ「これ、線香花火！あの時、どっちの火が後まで残るか、競争したんだよ？」
一弥「そうだっけ」
あやめ「ヒロくんが負けてさ。そしたら、本気で悔しがって」
一弥「…子供だったんだよ」
あやめ「そうだよね。あれから…10年だもんね」
一弥「…」
あやめ「…私…ヒロくんと一緒に大人になりたかったな」
一弥「…」
一弥「あ…」
あやめ「また私の勝ち！」
一弥「…」
あやめ「…でも私は、大人になってくヒロくんを見てたけどね」
一弥「え…」
あやめ「ヒロくんが出た舞台は、ほとんど観に行ってたから」
一弥「殆どって。セリフもない時から？」
あやめ「うん！私は、ヒロくんのファン一号だもん！」
一弥「…」
あやめ「ヒロくんがここまで来れたのは、本当にスゴいと思う！」
一弥「…」
あやめ「『棒しばり』だって、成功したのは自分の力じゃないなんて言ってたけど、そんなことないよ！」
一弥「…」
あやめ「ヒロくんの『棒しばり』、私は大好きだったよ！」
一弥「…」
あやめ「やっぱり、ヒロくんは絶対に一番の歌舞伎役者になれる…」
一弥「やめてくれ！」
あやめ「え…？」
一弥「…あやめちゃんに何がわかるんだ！」
あやめ「…！」
あやめの顔が悲しく歪む。
あやめ「…」
一弥「…」
あやめ「そうだよね。ごめんね、私、エラそうに…」
一弥「…」
あやめ「もう遅いし、帰ろっか。私も、明日から勉強合宿なんだ」
あやめ「え？」
一弥「…もう…僕とはいない方がいいかもしれない」
あやめ「…！？どういう意味？何でそんなこと言うの？」
一弥「…」
あやめ「…もう会いたくないってこと…？」
一弥「…」
あやめ「…ヒロくん…」
一弥「…」
あやめ「…そっか、…わかった」
一弥「…」