2014年7月7日(月)よる8時スタート ※初回は2時間スペシャル よる7時より放送!
社内報「あおぞら」編集部員が足繁く通うほか、物語の重要な場面の舞台としても登場する喫茶室「睡蓮」。その店内には、ドラマ『ペテロの葬列』の物語を暗示する絵画が飾られています。そこで、劇中に印象的に映し込まれる絵画のあれこれを紹介していきましょう。
ベッドに一人佇む少女。きゅっと口をつむり、大きく見開いた目は、真っ直ぐ一点を見つめているようでもあり、視点が定まらないようでもあり……。
そんな表情ほか、肩をすぼめ身体を強張らせた様子から、少女が何かに緊張し、不安を募らせていることが伺えるこの作品。『思春期』というタイトル通り、子供から大人へと成長していく過程において、誰しもが通る“思春期”独特の不安を、観る者に感じさせる作品です。少女の背後に見える黒い影は、少女が感じている“得体の知れない不安”を可視化したものなのでしょうか?
この作品から感じ取れる“不安さ”は、第4話の中で、バスジャック事件以来、心を閉ざしてしまった園田編集長の心情にもオーバーラップし、彼女が過去に体験した“恐怖感”なども想起させるものだと思いますが、ドラマをご覧のみなさんはどんな印象を持たれましたか?
この鬱とした空気感を持つ作品は、かの『叫び』という作品で有名なノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクによるもの。『叫び』という作品をご存じの方なら、独特なタッチに共通項を感じ取れるはずです。
ちなみに、この『思春期』はムンクが31歳の1894年、『叫び』の一年後に描かれたものですが、その構想は10年前に遡り、『夜』という作品として描かれていました。しかし、火事で焼失してしまい、それから10年後、あらためて描き直されたそうです。