
麻倉賢三 (渡瀬恒彦) と 慎介 (中村勘九郎) は長い間わだかまりを抱えて生きてきた父子。その賢三が突然、秩父札所参りに行こうと慎介を誘ってきた。それまで疎遠だった父が何故そんなことを言い出したのか、慎介には見当もつかなかった。
そもそも賢三は昔、学生運動に参加し、その後も家庭のことより社会の変革に情熱を注いできた。慎介はそんな父に反発するように、自分の家族の幸せを最優先に考えるようになっていた。賢三と妻・幸恵 (神野美鈴) との間にも溝が生まれ、幸恵が亡くなるまでその溝が埋まることはなかった。幸恵の死をきっかけに賢三は住んでいた家を売り払い四国で事業を始め、慎介はそれ以来父と会っていなかった。
慎介は妻・加奈子 (ともさかりえ) の勧めもあって、賢三と札所参りに出かけることにする。親子二人、どこか他人行儀な旅だが、やがて心に秘めてきた妻であり母である幸恵への思いを初めてぶつけ合い…。
| 麻倉賢三 | … | 渡瀬恒彦 | 
|---|---|---|
| 麻倉慎介 | … | 中村勘九郎 | 
| ○ | ||
| 麻倉加奈子 | … | ともさかりえ | 
| 麻倉幸恵 | … | 神野三鈴 | 
| 脚 本 | : | 鎌田敏夫 | 
|---|---|---|
| 演 出 | : | 山室大輔 | 
| プロデューサー | : | 八木康夫 |