合唱監修・福永一博先生のオモコー合唱紹介コーナー

このドラマの合唱監修とその指導を担当されている福永一博先生が、各話で歌われる合唱曲について、その魅力や豆知識などなどを紹介してくれるコーナーです。

福永一博（合唱指揮者、声楽家）
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程声楽専攻独唱研究分野修了。在学中にharmonia ensembleを設立、同団を率いて第40回フロリレージュ国際合唱コンクールグランプリ、第10回世界合唱シンポジウム招待出演等に導く。2015年度より一般社団法人化し、プロフェッショナルの室内合唱団として精力的に演奏活動を行っている。harmonia ensemble代表、コンサートマスター。Ensemble OASIS指揮者。東日本大震災復興支援「心に花を咲かせよう」プロジェクト代表。

はじめまして！『表参道高校合唱部！』で合唱指導･監修をしています、福永一博です。
このコーナーでは、ドラマで使われた合唱曲を、各話ごとにご紹介していきたいと思います！
「あのシーンで使われていた曲は何だったのかな？」といった疑問や、番組オリジナルの編曲作品の聴きどころなどを、お伝えしていけたらと思います！どうぞよろしくお願いいたします！

第2話の合唱曲

『ひとつの朝』

約30年前の回想シーンで、若き大曽根先生の指揮のもと、美奈代と雄司が入っている名門時代の表参道高校合唱部が、中庭で合唱練習をしている時に歌っていた曲です。
片岡輝作詞、平吉毅州作曲のこの曲は、1978年度のNHK全国学校音楽コンクールの“高等学校の部”の課題曲として作曲されました。その後にも1984年度の課題曲として再び取り上げられているので、もしかしたら表参道高校合唱部はこの年の課題曲の練習をしていたのかもしれません。『ひとつの朝』はその後、混声三部版に編曲されたものが多くの合唱の教材に載っているので、クラス合唱コンクールや音楽の授業などで、歌ったり聴いたりしたことがある方もいるかもしれません。
ピアノ伴奏付の作品ですが、今回は、中庭なのでア･カペラ･バージョン、また、30年前ということで混声四部版で演奏しています。混声四部版による演奏は、あまり耳にすることが少ないかもしれません。
少し専門的な話になりますが、1980年代の合唱演奏は、現在のような、ノン･ヴィブラートで綺麗にハモる発声というよりは、ヴィブラートをきかせた声楽的な発声で深みや厚みを持たせた演奏が主流でした。今回は30年前の演奏ということで、その当時のスタイルを再現しようと試みました。そのあたりにも着目していただけたら嬉しいです(演奏:harmonia ensemble)。

『翼をください』

窃盗事件の無実の罪を着せられ、不登校となった合唱部員の宮崎祐が、音痴を治すためにバケツを被りながら熱心に練習していた歌、そして真琴が祐を合唱部に引き戻すために、祐の家の前で歌いはじめ、ラストシーンで合唱部員達によって歌われる曲です。山上路夫作詞、村井邦彦作曲によるこの曲は、今では合唱曲として歌われることが多いため、オリジナルも合唱曲だと思われがちですが、もともとはフォークグループの「赤い鳥」が1971年に発表したフォーク･ソングです。後に、合唱曲として編曲されたものが教科書に収録され、多くの人に知られるようになりました。
今回は、ピアノ伴奏付混声四部版の新編曲で演奏しています(編曲:井上一平)。曲の最後に出てくる、翼を手に入れて大空に羽ばたいていくかのような壮大なコーダが魅力的な編曲です。楽譜はアットエリーゼから配信されているので、是非歌ってみて下さい。

以上が第2話で演奏された合唱曲でした。それでは、引き続き第3話もどうぞお楽しみに♪

合唱監修・福永一博先生のオモコー合唱紹介コーナー

このドラマの合唱監修とその指導を担当されている福永一博先生が、各話で歌われる合唱曲について、その魅力や豆知識などなどを紹介してくれるコーナーです。

第2話の合唱曲

『ひとつの朝』

『翼をください』

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