2012年10月12日(金)よる10時誕生
ついに最終回を迎えた「大奥〜誕生」。最終回からのロケ地は、11月27日に公開された「磯山Pの撮影日記」でも触れられている、有功と玉栄の別れを描いたシーン33、36について紹介しましょう。
物語のラストへと繋がる、有功と玉栄の別れのシーンは、設定上は大奥の庭ということになっていますが、撮影が行われたのは、滋賀県彦根市の「彦根城」の敷地内にある「玄宮園」という大名庭園です。「大名庭園」とは、江戸時代の諸藩の大名が造園した庭園のこと。ここ彦根城には「楽々園」という庭園もあり、玄宮園と合わせて「玄宮楽々園」と呼ばれ、国の名勝に指定されています。
また、彦根城は江戸時代のままの姿で現存する天守と二つの櫓が国宝に指定されているほか、5棟の櫓と門が重要文化財に指定されています。なお、天守が国宝に指定されているのは、この彦根城を含めて全国で4つ。長野県松本市の「松本城」と兵庫県姫路市の「姫路城」、愛知県犬山市の「犬山城」だけです。
全国各地にあった城ですが、明治時代に入り政府が出した「廃城令」により多くの城が廃城処分の対象となりましたが、その中で地元自治体の働きかけなどにより、往時のままの状態で残ったものがありました。その一つが彦根城というわけです。ちなみに、ここ彦根城が存続された理由は、明治天皇が彦根城を巡幸した際、城の保存を命じたためだとか。
余談ですが、彦根といえば、最近の“ゆるキャラブーム”の火付け役として知られる「ひこにゃん」がマスコットキャラクターとして人気。このひこにゃんは、家光の後見人として絶大なる信頼を得ていた彦根藩2代藩主・井伊直孝の、ネコにまつわるエピソードから生まれたキャラクターとのこと。観光地として人気の高い彦根城は、家光と関連深い史跡でもあるのです。