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二人の側室

奥女中になるには

第9話では、江戸城の表で行われる「朔日」や「元旦」の謁見が描かれていました。このように城内では年間を通して、様々な行事が行われていました。また、表で行われている行事と連動するように、大奥でも行事が行われます。そこで、大奥で行われていた主な行事を紹介しましょう。

元旦『御祝儀』:御台所のほか御年寄らが将軍と謁見。
1月7日『七種』:健康を願い、米のほか粟、ヒエ、キビ、ゴマ、小豆、ミノが入った七種の粥を食べる。
1月7日『御鏡餅曳き』:御三家、御三卿、諸大名から献上された大きな鏡餅を、男衆が表から奥内に入り、鏡餅を曳き回す。数十人の男衆が奥内に入るのは、年間を通してこの日だけ。
1月11日『新参舞い』:現代で言う「新人歓迎会」のことで、新参の奥女中らが御膳所に集まり古参の奥女中も混ざり歌い踊り、御台所からお酒や料理が振舞われた。また、ある記述には、裸になって踊ったと伝えられている。
2月『初午』:奥女中らが踊りや狂言芝居を楽しんだ。また、御台所が着物や装飾品などを、その集まりに投げ入れてプレゼントした。
2月下旬『彼岸』:寛永寺、増上寺へ代参が行われる。御台所が御目見以上の奥女中に団子を振舞う。
3月1〜4日『ひな祭り』:将軍が御台所や姫君に雛人形を贈る。奥女中らにお酒や料理が振舞われる。
3月『花見』:無礼講で、奥女中にお酒や料理が振舞われる。
4月8日『卯月八日』:お釈迦様の誕生日を祝う「灌仏会(かんぶつえ)=花祭り」。この日は商人が奥内で衣類や装飾品、日用品などのセールを開いた。
5月5日『端午の節句』:御三家、御三卿からちまきが献上される。御目見以上に柏餅が振舞われる。
6月15日『山王祭』:現代にも続き「日本の三大祭」にも数えられるお祭り。江戸城内に入城したお神輿を将軍や御台所が見物する。
6月16日『嘉祥』:疫病払いの行事。奥女中に餅などが振舞われる。
7月7日『七夕』:七夕飾りを飾る。
7月13〜15日『魂祭』:先祖の霊を供養する「盂蘭盆会(うらぼんえ)」。寛永寺、増上寺へ代参が行われる。
8月1日『八朔』:「表」では御三家ほか諸大名、旗本が正装で登城し、将軍と謁見。大奥では狂言などの出し物が行われお酒や料理が振舞われた。
8月15日『中秋』:御台所らがお月見。奥女中らはお月見団子を食べる。
9月9日『重陽』:長寿を願い、菊酒や餅が振舞われる。
9月中『観菊』:奥内の庭に菊を飾り、奥女中らも観賞できた。
9月15日『神田祭』:山王祭と同じく城内にお神輿が入城。
10月『玄猪(げんちょ)』:10月最初の亥の日に、子孫繁栄を願い将軍から姫君に餅が贈られる。
11月『冬至』:御目見以上に刺身などの食事が振舞われる。
12月上旬『すす払い』:いわゆる大掃除。
12月13日『畳替え』:奥内の畳の張替え。
12月29日『節分』:老中に仕えて大奥を取り締まる「留守居」が年男となり、奥内で豆をまく。
12月30日『大晦日』:除夜の御祝儀。

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