2012年10月12日(金)よる10時誕生
第8話では、赤面疱瘡かかったお楽の方が、ついに亡くなってしまいました。このお楽の方ですが、ドラマで描かれていたように、実際に家光との間に子をなしました。竹千代という男の子で、後の4代将軍の家綱です。
ドラマでは、このお楽の方は町人出身として描かれていましたが、実在したお楽の方は、下野国都賀郡(今の栃木県栃木市周辺)の農家の生まれでした。父の死後、母親と江戸で生活を始めた楽は、母親の再婚相手のお店の手伝いをしていたとき、浅草参りから帰るところの春日局の目に留まり、大奥へ上がることになったと伝えられています。このときお楽は、13歳だったそうです。
一方、ドラマに登場するもう一人の側室・お夏の方は、実際は京都の町人の娘でした。このお夏は、大奥に奉公して「御末」という役職に就きます。奥内の雑務を担当する御末は、御目見以下の役でしたが、お夏は将軍が大奥で入浴する際に世話をする「御湯殿(おゆどの)」を任せられたことで、家光の目に留まります。ほどなく家光の子を懐妊し、家光の三男を生みました。この三男は、後に甲斐甲府藩主となる徳川綱重です。
ちなみに、御湯殿での色事で子供ができたことは家光の一件だけではなく、「御湯殿の子」という言葉が生まれるほど、諸大名の間でも数々あったそうです。しかし、その後の大奥では、将軍が奥泊まりする際、大奥内での入浴を禁止するようになったとか。