2012年10月12日(金)よる10時誕生
前回に続きまして、今回も奥女中の役職を紹介していきましょう。
・表使(おもてづかい)
大奥の外交を担当。「御広敷(おひろしき)」と呼ばれる大奥から表に通じる役所に詰めて、表の御用人や御三家、御三卿の使いの者を応対した。
・御次(おつぎ)
台所や御膳部、仏間などに関する道具を取り仕切る係。また、大奥で催しが行われる際には、芸を披露して盛り上げる役目も務めた。よって、遊芸に覚えのある者が選ばれた。
・御右筆(おゆうひつ)
奥外とやり取りする書簡や、催しの記録など、大奥に関する全ての文書を担当した。また、大奥へ献上されたものや外部への進物などについて、応対する御年寄へ助言する役も務めた。
・御錠口
大奥と中奥を結ぶ通路「御鈴廊下(おすずのろうか)」には大奥への出入り口「御錠口」があり、その御錠口で大奥への出入りを監視した役。また、将軍からのお使いがあれば、ただちに御年寄へと取り次いだ。
・御切手(おきって)
奥女中の居住区を「長局(ながつぼね)」と呼んでいたが、その出入り口は七つ(午後4時)になると閉められるので「七つ口」と呼ばれていた。その七つ口を出入りする者に切手(通行許可証)を渡して、通行を監視していた。
・呉服之間(ごふくのま)
将軍と御台所の衣服を担当。専門分野に分かれて裁縫にも腕を振るった。
・御三之間(おさんのま)
御台所ほか、自分の役職よりも上位が使用する居間の掃除の一切を担当。また、湯水の運搬や火鉢などの管理も担務した。
なお、この御三之間以上の役職を「御目見以上(おめみえいじょう)」といい、将軍と御台所に目通りを許されていた。
・御仲居(おなかい)
将軍と御台所の食事を担当する「御膳所(ごぜんしょ)」で料理の一切を担当した。
・御火之番(おひのばん)
その名の通り、昼夜を問わず大奥を巡回して火の番をした。また、大奥内の警備役も兼務した。
・御使番(おつかいばん)
御年寄が御台所の代わりに城外へ出向きお寺を参る「代参」のお供をするほか、外部へのお使いや書簡などを受けて御広敷に詰める者に渡す役も務めた。
・御末(おすえ)
大奥全般の雑務を担当。「御端下(おはした)」とも呼ばれる。
・御犬子供
長局の各部屋で雑務を担当した。120名ほどいたそうで、そのほとんどが15歳〜23歳までの若い女性だったが、中には50歳を超えた女性もいたとか。