作品紹介

作品紹介 〜3人のプリンセスから見る契丹〜

  • 銅広口盆(どうひろくちぼん)
  • 銅広口盆(どうひろくちぼん)

    年代:11世紀前半 所蔵:内蒙古文物考古研究所

    解説:朝顔形に底から口へと大きく開いた盆で、青銅を鎚鍛して成形しています。内側の縁下の側面に圏線(けんせん)を数条線刻して、魚々子(ななこ)による連円文を上下に巡らし、その間に幾何学文を表し、その余白は魚々子を密に隙間なく打っています。
    この盆の製作地はイランと考えられており、『契丹国志』にある大食国(イスラム圏の国)との交渉が具体的に窺われます。

  • 花文板飾り
  • 龍文化粧箱(りゅうもんけしょうばこ)

    年代:11世紀前半 所蔵:内蒙古文物考古研究所

    解説:食籠(じきろう)形の大形の盒子(ごうす)で、中に紅、白粉を入れた銀盒子が収められていて、陳国公主の化粧具として副葬されたと見られています。龍の表現は輪郭線を鏨(たがね)で深く幅広に鋤(すき)取り、裏から打ち出してわずかに盛り上げ、片切風な鏨によって小さな波形をいくつも彫って鱗として、毛や雲の筋は細い蹴彫で表しています。 年代が知られることからも契丹金銀器の基準となる作品といえます。

    龍文化粧箱(りゅうもんけしょうばこ)

    年代:11世紀前半 所蔵:内蒙古文物考古研究所

    解説:合子は銀の鍛製で、蓋の表板と身の底板は別材を鑞付しています。低い筒状で、身と蓋はほぼ同じ高さです。身の内側に別材で立ち上がりを設け、そこに蓋がはまるようにしています。