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直撃テレビの仕事人

#02  ニュース番組のタイムキーパー


決められた放送時間に番組が収[おさ]まるよう、進行を管理するのがタイムキーパーの仕事です。スポーツ、バラエティやドラマ、ニュースなど、番組のジャンルによってタイムキーパーに求められることも変わってきます。最新の情報が飛び込[こ]む生放送のニュース番組を担当[たんとう]するタイムキーパーさんにインタビューしてきました!


仕事人写真
(株[かぶ])ジャスク 田中さん

テレビの番組制作などを手がける(株)ジャスクに所属し、1997年からタイムキーパーを担当。お昼のニュース「1130」以来、『ひるおび内 THE NEWS』や『報道特集 NEXT』など、ニュース番組で活躍[かつやく]中。また、年始には『新春初日の出SP』(2時間15分の生放送)でもタイムキーパーを務めました。




現場ハイケン!


番組が始まる1時間半前にはTBS放送センターに到着[とうちゃく]。この日は、午前11時半スタートの昼ニュースを担当していたため、10時前にスタッフルームに入りました。まず番組の献立[こんだて]表ともいえる「進行表」を確認[かくにん]し、それを元に「Qシート」を作り始めます。Qシートは、番組内の時間割[じかんわり]のようなもので、番組の進行に必要な情報が秒単位で書き込まれ、番組の全ての担当者に配布されます。

仕事道具

スタジオのようすを再現したムービーを見てみましょう。

現場写真

テレビの画面には出てこないニュース番組のスタッフのお仕事は、TBS「お客様インターアクセス」サイト内の「ニューススタジオ 見学体験」で見ることができます。



仕事道具ハイケン!


仕事道具

1)ストップウォッチ
2)進行表
3)Qシート
4)原稿
5)赤サインペン
6)修正液




直撃[ちょくげき]☆質問!


仕事風景

Q)どんな小学生でしたか?

A)とにかく、テレビが好きでした。学校から帰るとすぐにテレビをつけていました。お母さんには「テレビを見てばっかり!」と、よく怒[おこ]られましたが、それでもテレビが好きでした。特にアニメ番組が好きで、よく見ていました。


Q)学生の頃[ころ]からTKという仕事を知っていましたか?

A) マスコミの専門[せんもん]学校に通っていたので、なんとなく知っていました。「時間を管理する人」ぐらいに。テレビ番組の最後に流れるクレジットでも「TK」(タイムキーパー)の文字を見ていたりして。実際の仕事ぶりについては、入社後に目の当たりにして、サブでの存在[そんざい]感に圧倒されました。

Q)大変だったことは?

A) インカムを通してスタジオや別室のスタッフに声を届[とど]けたり、サブ全体に聞こえるように声を出すのが恥[は]ずかしくて、最初は本当に大変でした。あとは、60秒で1分進むことを計算する60進法に慣れなかったり。でも、こうしたことは努力と経験でなんとかなったりします。今でも大変なのは、生放送のニュース番組が避[さ]けて通れない大災害などの緊急[きんきゅう]ニュースが入った時ですね。なによりも状況[じょうきょう]を把握[はあく]する冷静さと、その状況に適切に対応する臨機応変さが求められます。……これが大変なんですけど、だからこそこれを乗り切って無事に番組が放送された達成感はたまりません。

Q)タイムキーパーになりたい人にアドバイスを!

A) 計算や恥ずかしさは、練習したり経験を積むことでなんとかなります。人と話すことが好きかどうか、これがとても大事だと思います。ひとつのニュース番組のために100人を超[こ]すスタッフが働いています。こうした大勢の人たちとコミュニケーションを上手にとって、一緒[いっしょ]に仕事ができることが一番です。あとは、冷静さと臨機応変[りんきおうへん]さが求められる役割[やくわり]がタイムキーパーなんですが、ここはどうやって身につけるか……。チャレンジあるのみ!?


タイムキーパーさん 3か条
みんなと一緒に仕事ができること
はっきりと、よく通る声
冷静さと、臨機応変さ


質問! タイムキーパーになってよかったことは?


写真

毎日全く違[ちが]う内容を扱[あつ]っているので、飽[あ]きません! そして、番組が無事に放送されたときの達成感。このふたつが大きいですね。どちらも、バラバラのものがうまく合わさってひとつになる瞬間[しゅんかん]ともいえます。

ニュース番組では、常に新しい情報が入ってきますが、中継[ちゅうけい]だったりVTRだったり、大事件や地震[じしん]の速報が急に入ったりと、様々な内容を限られた時間の中でひとつの番組として放送します。そのため、毎日同じことをしているようで、自分の仕事に飽[あ]きることがありません。

そして生放送中には、編集長やカメラマン、キャスターや中継スタッフ、ピッチャーさんや音声さん、テロップを作るスタッフといった、書ききれないほどのスタッフが関わっています。「番組を放送する」という同じ目標をもって別々の仕事をしている番組スタッフのみなさんに、それぞれの仕事が進めやすくなるように、TKが自分の声で進行状況を伝えます。タイムキーパーが進行を読み上げる声が軸[じく]になり、番組が無事に時間内で放送を終えたときの達成感は、なかなか言葉にすることが難[むずか]しいですね。



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