9月8日放送
労組と弾圧 ~関西生コン事件を考える~

「ニュース捌き」に追われ、消極的判断をしてしまうことがある。市民団体の地味な告発、反社会的勢力関連の事案…「大きな問題が背景にあるかも。でも、扱いにくい。とりあえずスルーしよう」。「関生事件」もそうだった。

連帯労組関西地区生コン支部「関生(かんなま)」はミキサー運転手の労働組合。一斉ストも辞さず、交渉姿勢は厳しい。活動ぶりが過激に映ることもあり、メディアは「反社会的勢力」視した。数年前、組合員のべ81人が逮捕された。ストや労使交渉に威力業務妨害、強要などの容疑がかかる戦後最大規模の労働事件だ。

取り調べで「脱退」を迫られ、容疑を認め労組をぬけた人も多い。組合員は十分の一に。裁判では、当局の筋書き通りの有罪判決もあるが、無罪判決も相次ぐ。どちらにせよ報道は少ない。

権力や資本に疎んじられるや、労組が「犯罪集団」となる現実がある。「関生」は「労組のなすべきことをやっただけ」ではないか。遅ればせながら光を当てる。

製作:MBS毎日放送
ディレクター:伊佐治整