1月7日放送
家さえあれば ~貧困と居住支援~

大阪・西成区。日雇い労働者の街で知られる「あいりん地区」で坂本慎治さん(35)は生活困窮者の居住支援を続けている。SNSなどで活動を知った人たちが全国から相談にやってくる。職を失った人、虐待を訴える人、出所した人。共通しているのは、全員“家を失った人”であることだ。

活動のきっかけは不動産会社に勤務していた時に出会った母娘。夫のDVから逃れるため家を借りたいと懇願するが女性の“家探し”は難航した。保証人や敷金の工面、大家との交渉など課題の多さに直面した。大家の理解もあって住まいを得た女性は生活保護を受けた後に就職し生活を再建することができた。「住まい」を得ることで人は新たな一歩を踏み出せる…と坂本さんは確信した。

極寒のある日、1本の電話がかかってきた。20歳の青年だった。寮を追われ、夜の街を彷徨っているという。坂本さんは、すぐに車を走らせた。大丈夫。家さえあれば、何とかなる――。

製作:MBS
ディレクター:海老桂介