1966年、静岡県旧清水市のみそ製造会社で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。逮捕された当時30歳の袴田巖さんは冤罪を疑われる中、死刑判決を下され、死刑執行の恐怖のもと、半世紀近くの獄中生活を送った。
今年3月、東京高裁は「犯行着衣とされる重要証拠は捜査機関がねつ造した可能性が高い」として袴田さんの裁判のやり直しを決定。しかし、検察はやり直し裁判で再び袴田さんに有罪判決を求める方針を示していて、判決までにはさらなる時間がかかることが決定的になった。
袴田さんは現在87歳、活動を支え続けた姉・ひで子さんは90歳だ。日本の再審制度には「検察が持つ証拠の開示へのハードル」や「決定に対し不服を申し立てる権利が検察官に与えられている」ことなど再審を求める側にとって高い壁がある。
冤罪被害者救済のための制度「再審」を見直すべきという機運も高まっている。袴田さんの57年にわたる裁判を通じて、日本の司法を問う。
Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.