11月20日放送
子どもたちは“死のジャングル”に向かった ~ハイチ難民の物語

-令和4年度(第77回)文化庁芸術祭参加作品-

中米コロンビアにある小さな街に、2万人を超えるハイチ人が集結していた。その多くが幼い子どもを抱える家族だ。ハイチでは、殺人、誘拐が多発するなど、治安が極度に悪化している。このため、新たな人生を求めて、陸路でアメリカを目指そうという人々である。その街の海岸で、幼い姉妹に出会った。ここから、ジュニオールさん家族の同行取材を始めた。

彼らが向かうのが、コロンビアとパナマに広がる密林地帯、ダリエン・ギャップ。この一帯は、険しい地形などから、命を落とす人が相次ぎ、“死のジャングル”とも呼ばれている。ギャング組織による暴力、レイプも横行。それでも人々はジャングルへと向かう。去年は13万人以上にのぼり、そのうち3万人は子どもだったという。今年は、さらに増えている。

「娘たちには、私たちのような厳しい人生を歩んで欲しくない」。そう語ったジュニオールさんは、妻と娘二人とともに、恐怖を感じながらも、密林へと入っていった。その先に希望はあるのか。アメリカに辿り着けるのか…。

製作:TBSテレビ
ディレクター:萩原豊