7月31日放送
熱海土石流 -なぜ盛り土崩落は防げなかったのか-

熱海土石流災害は、天災か人災か。
去年7月3日、静岡県熱海市の伊豆山地区で大規模な土石流災害が発生した。降り続いた雨で水を含んだ大量の土砂が川を一気に流れ下り、民家を飲み込み、27人が死亡、いまだ1人が行方不明のままだ。

雨が原因とみられていた土石流だが、流れ出た土砂は人工的に作られた「盛り土」の一部で、この盛り土が被害を甚大化させたことが明るみに出る。10トンダンプ1万2000台分、規制をはるかに超える50メートル近い高さに積み上げられた盛り土。
なぜ違法な盛り土が作られ、10年以上も危険な状態で放置され続けたのか?

「頭の上にあんな危険なものが作られていたなんて、全く思わなかったでしょう」
母親を奪われた瀬下雄史さんは、土石流災害の責任は誰にあるのかを求め続けている。

土石流の起点となった盛り土の形成から崩落に至るまでに15年。行政が残した文書・記録など資料の数は8000枚を超える。そこから浮かび上がってきたのは土地開発をもくろんだ不動産業者とそれを管理する行政の“異様”ともとれる関係だった。

製作:SBS 静岡放送
ディレクター:和田啓