6月6日放送
「香港2020」 ― そして弾圧が始まった ―

2019年。
香港で繰り返された大規模な抗議運動をなんと呼べばいいのだろう。間違いなく香港の歴史に残る出来事だったが、2014年の「雨傘運動」あるいは台湾の「ひまわり運動」のような名前はまだない。

それは一連の事態がまだ継続していて客観的な評価が難しいからかもしれない。

そして2020年。
市民たちの抗議活動に怒りと恐怖を覚えた北京政府は香港の直接統治に乗り出す。

「香港政府には任せておけない。こうなったら直接おさえこんでやる。」
これが20年6月に施行された香港版国家安全法の正体だ。

法律の施行とともに「一国二制度」は終わりを告げ、民主活動家に対する激しい弾圧が始まる。

新型コロナを理由に香港入りが制限される中、取材はネットを通じて行うしかなかった。身の危険を感じながらも多くの民主活動家が我々の取材に応じてくれた。

彼ら彼女らが口をそろえて我々に訴えたのが「香港で起きている事を見守り続けて欲しい」と言うことだ。

その声に応えるべく2020年の動きをまとめてみたい。ネット越しでも弾圧の過酷さが伝わるはずだ。取材に応じてくれた彼ら彼女らの多くがいま獄中にいる。

「名前のない抗議運動」はいま過酷な試練に直面している。

製作:TBSテレビ
ディレクター:日下部正樹

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