
2011年の東日本大震災発生直後、宮城県女川町の仮設住宅の外で地べたにノートを広げて勉強する子どもたちがいた。彼らのために始まった、塾でも児童館でもない、子どもたちにとって唯一無二の居場所 ― それが「女川向学館」だ。
中学3年生の少年は机に向かうとあくびが漏れる。高校受験という壁を前にしていても、スタッフが正解を押し付けることはない。ただ隣に座り、「最近どう?」と話を聞く“ちょっと年上の存在”。子どもたちは飲み込んできた本音をぽつり、ぽつりと話し始める。
震災から15年。町の景色が変わっても、思春期の心の揺らぎや孤独に変わらず向き合い続けてきた「女川向学館」。国の復興予算が終了することで運営の仕組みが大きな転機を迎えようとするなか、スタッフたちは自らの存在意義を問い直していく。
雪が降りしきる中での受験、新たな出会いと旅立ち。海風が吹き抜ける町で、子どもたちと彼らを見守るスタッフたちが築いてきた「ナナメの関係」とは ―
子どもたちとスタッフがともに学び成長を続けていく日常に密着した。
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