昼間の猛暑は夜になってもそのまま残り、アスファルトから容赦なく襲ってきた。『時事放談』の収録を終えて国会正門前に駆けつけると、道端に「GIVE PEACE A CHANCE」「憲法守れ」「自民感じ悪いよね」とのプラカードや、「私は戦争法案に反対します」との横断幕がいくつも掲げられ、若い人たちが集結していた。「金曜日の夜、今日もやっているんだな」と思った。すると1人がビールケースを2つ並べた「壇上」に立ち、「7時半になったので始めたいと思います」と声を上げた。そして、「最近は国会答弁だけでなく、議員の発言に呆れています。就職活動できねーぞとか、戦争に行きたくないのは利己的だとまで言われて」と声を張り上げた。数日前、自民党の若手議員(武藤貴也)がツイッターで、今回の安保法制の法案に反対するこの若者たちを「彼ら彼女らの主張は戦争に行きたくないという自己中心、極端な利己的な考えに基づく」と批判していた(7月30日)。そしてその若者はマイクを握りしめ「戦前の発想じゃないですかねえ。戦争法案じゃないと言っていたのに、戦争法案であるとバレた。思い切って戦争法案反対と言いたいっ」。そして、どこからか地響きのようにドラムの大きな音がリズムを取りだし、「憲法守れ」と叫ぶと、集まっている若者たちが「憲法守れ」と呼応した。それは「勝手に決めるな」「勝手に決めるな」、「国民なめんな」「国民なめんな」、「戦争したがる総理はいらない」「戦争したがる総理はいらない」、「廃案」「廃案」……と延々と続いた。傍で見ているだけでも汗が噴き出す状態で、声を張り上げている若者たちは汗だくになりながらもリズムに合わせて体を揺すり続けた。そして「あ、べ、は、や、め、ろ」「あ、べ、は、や、め、ろ」と、区切りながら一段と声を張り上げ、別の若者にバトンタッチした。