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「第1章」インカ:帝国の始まりとその本質

インカ王は太陽王の息子として神聖な存在とされ、世界を照らす生命の根源であった。
最後の皇帝アタワルパがスペイン人に捕われた時、
大勢のお供を引き連れて輿に乗っていたのは、神秘的な力を持つ神聖王の足が地面につけば、
大きな災いが引き起こされると信じ考えられていたからだといわれている。
また、インカ王には作物の実りを護る力があるとされ、
豊かな農業に必要である順調な天候や水を保つ力を持つとされた。
目をやるだけでたちどころに岩が形をなして段々畑(アンデネス)が作り出されたとも伝えられる。
地方からインカ王の世話をするために送り込まれたアクリャと呼ばれる女性たちは、
王の衣服や太陽神にささげられる布を作るなどの奉仕をした。
インカ帝国は近代以前の旧大陸の国家と同様、農業を基盤とした経済を持ち、
たとえば、実験農場とも言われるモライ遺跡でもわかるように、自然と調和した雄大な自然改造をこころみた。
インカ王とは、巨大国家の政治機構と宗教・自然という2つの力を生きながらにして束ねた神聖王だった。

ここではインカ王と彼が統治した国家がどのようなものであったかを、さまざまな遺物を使って探求していきます。

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