特集

アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

愛場ディレクターインタビュー

―他のカリブ海の世界遺産にも行かれましたか?

アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

愛場:ドミニカ共和国のサントドミンゴやプエルトリコのサンファンは、16世紀以降、海賊や敵国からの攻撃に備えて海岸線に堅固な要塞を築きました。そうした古い街並みも世界遺産に登録されています。特にサントドミンゴは、コロンブスが新大陸で最初に造った植民地都市として有名です。つまり、ここから新大陸の歴史が始まったと言っても過言ではありません。西洋式の大学、病院、教会など、新しい文明が次々ともたらされたことは歴史上、とても重要です。この街にはコロンブスの遺骨も眠っています。彼はヨーロッパで亡くなったのですが、「私が死んだらサントドミンゴへ」というのが遺言だったとか。

―植民地の歴史も垣間見ることができるクルーズなんですね。

愛場:カリブ海の小さな島々は、ほとんど植民地化した街です。街の海岸線には要塞の壁がずらりと並ぶ光景が見られます。金や銀などを巡ってヨーロッパ諸国が熾烈な争い展開した確かな痕跡なのです。今回、多くのカリブ海の島々を巡りましたが、一見、街は全部同じように見えますが、でもよく見ると少しずつ違うのがわかってきて面白かったです。

―ほかにどんなところが見所でしょうか?

アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

愛場:「カリブ海の海賊についても取材してみました。皆さん一度は見たことがある海賊旗のドクロマークってどんな意味だがご存知でした? 襲撃する船に対して、「命乞いせよ、降伏せよ」などの勧告の意味があったそうです。16世紀以降、スペイン船は新大陸から莫大な財宝をヨーロッパへ持ち出していきました。海賊たちはそうした船をねらっていたのです。この時代、スペイン船の中には、嵐などで座礁して沈没してしまったものも多いといわれます。近年、こうした沈没船が発掘され、莫大な財宝が見つかっています。今回の取材では16〜17世紀の貴重な財宝も撮影させてもらいました。

アメリカとカリブ海の歴史と自然に触れる鉄道&船の旅

―最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。

愛場:特集の2週目は、カリブ海をクルーズで巡りながら、熱帯のカリブ海ならではの自然の明るさや美しさ、そして独特の文化や歴史を楽しんでいただけたらと思います。ぜひご覧下さいませ。

世界遺産の歩き方

<カリブ海クルーズ〜バルバドス〜>
カリブ海、西インド諸島の島国、バルバドスはラム酒発祥の地と言われる。1627年から生産を始めたラム酒工場は見学することが可能。この工場で作られる「Mount Gay Rum」は島内はもちろん、世界中で人気のスピリッツだ。