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2019年3月10日放送
ヒエラポリスとパムッカレ

皇帝が愛した絶景温泉

美しい純白の丘を生んだのは活断層でした。地震をひき起こし、石灰岩の大地に亀裂を作りました。そこから温水が湧き出したのです。そして温水に溶け込んでいた石灰分が沈殿し、真っ白な石灰棚の丘が生まれました。

発見!地獄の門

巨大都市が建設されたパムッカレの丘には活断層があります。遺跡の発掘で炭酸ガスを放出する穴が発見されました。大地の亀裂から噴出しているのです。人々は冥界の神ハデスに生贄を捧げる「地獄の門」と呼びました。

遺跡の沈む温泉

観光客も入れる遺跡の沈む温泉があります。ヒエラポリスは幾度となく大地震によって破壊されたのです。温泉に沈んでいるのは、南北に街を貫いていた列柱道路でした。大地震の後、湧き出した温泉が柱や敷石を沈めたのです。

トルコ南西部に美しい純白の丘があります。絶景の地「パムッカレ」です。幅2キロにわたる真っ白な石灰棚には温泉水が流れています。源泉の水温は35度。気温の下がる朝はもうもうと湯気を立てます。紀元前2世紀、古代ローマはパムッカレを支配し、温泉保養地として巨大都市「ヒエラポリス」を完成させました。歴代の皇帝が絶景の温泉郷に足を運んだのです。しかし大地震が幾度となく街を破壊し、やがてローマは滅亡します。

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