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2018年11月11日放送
トラムンタナ山脈の文化的景観

山を変えた石積み

トラムンタナ山脈は石灰岩が隆起して出来ました。10世紀以降イスラム教徒が島を統治し、山の斜面を削り段々畑を作りました。漆喰など一切使わず石を積む「空積み」で段々畑を広げたのです。その技術は今も大切に守られ、美しい景観が守られています。

地下に作られた水路網

山あいの街のいたるところに水路がありました。それだけではなく、街の地下には網の目のように地下水路がめぐらされていたのです。しかもその「水路の管理人」制度まであり、昔から受け継がれていました。山からの水を、皆で共同で大切に使ってきたのです。

湖に残された人骨

山脈の山奥の湖で人骨が発見されました。それは13世紀のイスラム教徒のものでした。キリスト教徒に追われた彼らは山奥に逃げ込んだのです。湖には住居跡やモスクもありました。まだ発掘は始まったばかりで新たな発見が期待されています。

スペインのマリョルカは地中海に浮かぶ奈良県ほどの面積の島です。その北西に90kmも続くトラムンタナ山脈があります。10世紀から山の斜面に段々畑が作られ、主にオリーブが栽培されてきました。その段々畑が広がる文化的な景観が世界遺産として認められています。そのオリーブの収穫の時期に合わせて取材に行きました。世界でも最高級と言われるこの島のオリーブオイル。それを支えたのは人々のたゆまぬ努力と意外な歴史でした。

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