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2012年12月9日放送
アルヒジュル古代遺跡

奇岩を彫った“神殿”

砂漠に残された岩山の神殿は、この地に暮らした遊牧民ナバテア人の築いた墓でした。
彼らは岩山を彫ってギリシア風の柱を施し、ワシやライオンの装飾で入り口を守護します。100にもおよぶ墓は繁栄した王国の証でした。

アラビアの『香料の道』

南の「アルヒジュル」、そして北の「ペトラ」、2つの都をもつナバテア王国は、当時、アラビア半島から古代ローマを結ぶ道を支配していました。
運ばれたのは、金にも匹敵したといわれる香料「乳香」でした。

遊牧民の貯水システム

ナバテア人は、岩山を彫って水路をつくり、貯水槽に雨水を集める高度な技術を持っていました。
砂漠を行くキャラバンは、高い通行税を払ってでも、水を求め「アルヒジュル」に立ち寄ったのです。まさにオアシス都市でした。

アラビアの砂漠に残された古代遺跡「アルヒジュル」は、“岩だらけの場所”という意味です。
首都リヤードを出発し、たどり着いた先にあったのは砂と岩山の世界。岩山のひとつひとつに神殿のようなものが築かれていました。
ここは2000年ほど前に栄えたナバテア王国の都。
かつてアラビア半島から古代ローマを結ぶ交通の要衝でした。
ナバテア人は、砂漠を行くキャラバン隊から通行税を徴収し、莫大な富を得ていたのです。

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