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2012年5月20日放送
巨大人形の祭りII オリンダ歴史地区

世界を変えたサトウキビ

街の繁栄を支えたサトウキビ畑。ブラジルで始まった砂糖の大量生産は世界を変えます。当時、貴重品だった砂糖が庶民にも手が届くようになったのです。
砂糖産業の労働力にはアフリカの黒人奴隷たちが投入されました。
彼らが祖国を想って行ったパレードが“マラカトゥ”。アフリカ・コンゴの戴冠式を、ブラジルに再現しました。

奴隷が身を守ったダンス

この地方独特の踊り“フレヴォ”。軽やかなステップが特徴です。
その起源は、黒人奴隷が編み出した護身術“カポエイラ”。
奴隷達は農園主の暴力から逃れるため、ダンスに見せかけて身を守る術を身につけたのです。
その身のこなしがフレヴォに継承されました。

守り神100体が大行進!

オリンダのシンボルが、高さ4mにもなる巨大人形。中世ヨーロッパで魔よけに使われていた人形がこの地に根付きました。
巨大人形は街の守り神であり、自由の象徴。
カーニバル最終日には100体の人形が街を練り歩き、祭りの熱狂は最高潮を迎えます。

ブラジルの東の端、大西洋に突き出したオリンダ歴史地区。16世紀、ポルトガルが新大陸に建設した最古の植民都市の一つです。
時の流れから取り残されたような街並みがそのままに残るオリンダ。この静かな海辺の街が、年に1度だけ沸き返ります。
それが、2月に開催されるカーニバルです。ブラジル3大カーニバルに数えられるオリンダのカーニバル。
その熱狂の裏には、この街が辿った暗く悲しい歴史が秘められていました。