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2011年9月18日放送
インド洋の秘境I : チンギ ド ベマラハ厳正自然保護区

秘境“針の山”

一年の半分近くを雨で道が閉ざされる、辿り着くだけで長い道のりの地上最後の秘境。その道程では様々な動物と出会う。森を抜け、岩山を登った先には見渡す限りの針の山があった。

海を知る摩天楼

石灰岩の巨大な堆積層にできた亀裂や断層に沿って雨水がしみ込み岩を浸食、洞窟やトンネルがつくられた。その石灰岩ができたのは2億年前の海の底だった。

空飛ぶサルの森

石灰岩の台地に生まれた針の山は生き物にとって非常に厳しい環境を生んだ。しかしそこには豊かな森が生まれ、針の山は生き物の砦となった。そして、ここで生きる道を選んだ動物たちは適応しながら進化を遂げた。

マダガスカル西部の乾燥地帯にあるチンギ・ド・ベマラハ厳正自然保護区は石灰岩の台地が浸食されて出来た広大な奇岩の風景。針のように尖った岩は長い間、人間の侵入を拒んできた。しかしそれゆえ手つかずの自然が今も残され、ここにしかいないサルなど多くの固有種の宝庫となっている。それらすべての動植物の命の源は、単なる乾燥地と思われたチンギの奇岩を通った雨水が地下に染みだして生まれた川の流れだった。