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2010年12月12日放送
ソコトラ諸島
ソコトラ島は、かつて地殻変動により、アフリカ大陸から切り放された島。
アフリカで葉絶滅してしまった古代種が、島では生き残り、世界唯一の生態系を育んだ。その個性的な植物は、島民にとって貴重な薬草でもあった。
島の薬剤師が教えてくれた。ソコトラアロエから採る樹液は、
マラリアや高血圧の薬。便秘の治療にも役立った。
ローマ皇帝が求めた乳香は、島民にとっては、腹痛の薬。
ガムのように噛んでいると口内や歯の殺菌効果がある。
リゾート開発されていないビーチは、真っ白な砂浜がどこまでも続く。
そして紺碧に輝くインド洋は、とにかく美しい。
アラビア半島の南、イエメンのソコトラ諸島は、「インド洋のガラパゴス」と呼ばれている。南米エクアドルの「ガラパゴス諸島」には、ゾウガメや海イグアナなど固有の進化を遂げた動物が生息しているが、ソコトラの場合、独自の進化を遂げた植物であふれている。
デザートローズは、通称ボトルツリーとよばれ、ずんぐりむっくりした姿。キューカンバーツリーは、キュウリの仲間だが、樹木の形をしている変り種。
島固有の植物は300種以上になる。
ソコトラ島が歴史の舞台に登場したのは、2000年以上前、海のシルクロードの時代。島には、貴重な植物があふれていた。
乳香と呼ばれる木は、樹脂が貴重な香料となった。アラビア半島の南部にしか生息せず、古代ローマの皇帝も乳香を求めたという。
そして、この島にしかない植物、竜血樹。樹液が真っ赤な血のような色で、その固まった樹脂・シナバルは、止血剤として用いられてきた。古代ローマ軍が携帯し、戦場に赴いたという。しかし現在、絶滅の危機にあるという竜血樹。
今回取材班は、島の中央に聳えるハギエル山をめざす。
そこには、今もうっそうと茂る竜血樹の森があった。