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2010年7月18日放送
グアナカステ保全地域

動物の交差点

中米コスタリカ。特にグアナカステには多くの種類のユニークな動物たちが棲んでいる。その昔、南米そして北米大陸からやってきた動物たちだ。
実は数百年前、南北アメリカ大陸は離れ離れになっていた。
それが、隆起によって繋がり、コスタリカの付近で動物の行き来が起きたのだ。

風が作った海

グアナカステには常に強い風が吹いている。風はカリブ海側から吹く風が山脈を越えてくるもの。強い風は太平洋側にまで達し、海表面を沖へと押し流す。
代わりに海底から養分の豊富な水が浮かび上がってきて、結果的に、グアナカステの海は豊かな海となった。

乾いた森

風は森をも乾燥させる。乾季には雨がまったく降らなくなり、乾いた森となる。しかし植物はそんな過酷な環境にも適応する知恵を絞った。森の中に出来たサボテンの林、乾季になると葉が落ちてしまう代わりに、木の幹で光合成する木など。
グアナカステの魅力は森の中すべてにある。

中米コスタリカはエコツーリズム発祥の地といわれる。森や海に親しみ自然そのものを楽しむ発想。その原点ともいえるグアナカステ保全地域は、自然保護の手本として世界から注目される国立公園である。ここでは豊かな動植物が自由に遊ぶ姿を間近に見られる。
しかし、ほんの30年ほど前までは牧草地の開発で森は消滅寸前だった。今の豊かな森は、コスタリカの人々が努力して再生させたものなのである。そして2度と過ちを繰り返さぬよう保護活動、教育などに力を入れている。

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