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2010年3月28日放送
シュトルーヴェの測地弧

この世界遺産はヨーロッパ10カ国にわたる稀有なもの。
19世紀の天文学者シュトルーヴェが40年という歳月をかけ、2820キロという長距離の測量を行った跡が、小さな「穴」や「十字」の印で残っている。
その測量点群が「測地弧」と呼ばれている。シュトルーヴェの測量は、ニュートンの仮説「地球は、赤道が僅かに膨らんだ楕円体」を実証するものだった。
今回は、最北端のノルウェー、最南端のウクライナを含む5カ国を取材し、シュトルーヴェの偉業を追う。

シュトルーヴェが生きたのは、ロシアの台頭、ナポレオンの失脚など、歴史が大きく動いた時代。その舞台となった「シェーンブルン宮殿」「サンクトペテルブルグ」。さらに、天動説や地動説の歴史を語るため、チェコのプラハにある天文時計など、ヨーロッパの豪華な建築物紹介。

シュトルーヴェは、タルトゥ天文台(エストニア)の台長だった。
測量を始めたのもこの天文台周辺から。
若き日のエピソードや当時の測量器も紹介。この天文台も世界遺産に登録されている。

シュトルーヴェの測地弧は、日本にも影響を与えた。
彼の測量結果から割り出された「地球の大きさと形」の理論は、明治政府が
ヨーロッパの測量技術とともに導入。
2002年にGPSが採用されるまで、あらゆる日本地図のもとになっていた。

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