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2010年2月21日放送
開平の望楼群と村落

摩訶不思議な楼閣

開平の村には必ずと言っていいほど、コンクリート製の不思議な楼閣が、そびえています。
その数1800以上。派手な装飾を施したその風貌は、明らかに西洋風。
コンクリートや鉄筋など、ほとんどすべてを何と海外から輸入し建てられました。

監獄か?住居か?

楼閣には装飾もほとんど無く、窓に鉄格子がはめられた塔も多くあります。
元々、楼閣は盗賊から身を守る「避難所」だったのです。

西洋への憧れ

西洋風の装飾を施した楼閣には、西洋式のモダンな暮らしがありました。
20世紀始めの開平に、西洋の最先端の文化があふれていたのです。

美しい水田の風景の中にそれとは不釣り合いな楼閣が聳えています。
多くは4、5階建て、1900年からわずか30年間に建てられたもの。
中世の城を思わせる風貌にギリシャ風の円柱…ありとあらゆる西洋の建築様式が、混じり合っています。
この不思議な楼閣を建てたのは、開平から世界へ渡った「華僑」たち。
楼閣には、華僑の苦難と成功の歴史が凝縮されているのです。

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