放送アーカイブ

2009年6月14日放送
モシ・オア・トゥニャ/ヴィクトリアの滝

ヴィクトリアの滝

「ヴィクトリアの滝」は、イグアス、ナイアガラと並ぶ世界三大瀑布。この地に暮らしてきた人々は「モシ・オア・トゥニャ(轟音とどろく水煙)」と呼ぶ。大河ザンベジの水は、幅1700メートルの水のカーテンとなり、滝つぼへ落下。激しい水しぶきは、乾燥した地に雨のように降り注ぎ、森や野生動物を育んでいる。

滝の化石

「滝の化石」と呼ばれる不思議な景観は、1億8000年前の火山活動で誕生した玄武岩台地を、長い年月をかけて滝の水流が削り取った跡。現在の滝は、8番目の滝といわれている。滝の下流のジグザグに流れる峡谷は、上空から見ると、巨大な洗濯板にも見える。

氾濫原

滝の上流にモングという町がある。ここは雨季の終わりになると川が増水し、「氾濫原」と呼ばれる巨大な湿地帯になる。ここには、300年前からロジ族の人々が暮らしてきた。氾濫原は、畑や放牧地、さらに家までも水没させてしまう。想像を絶する大河ザンベジの水量が、ヴィクトリアの滝の壮大な景観を生み出している。

クオンボカ祭

ザンビア最大の祭り「クオンボカ」が、氾濫原の町モングで行われる。かつてここは「ロジ王国」と呼ばれていた。現在も民衆から崇拝される王様が暮らしている。この祭りは、雨季の終わりに水没してしまう王宮から、高台にあるもうひとつの王宮に、王様が引越しをする儀式。氾濫原を王様の船がパレードし、民衆がそれを追う。200年の伝統を持つ「クオンボカ祭」の熱狂振りを取材した。