『ハンチョウ〜神南署安積班〜』の橋本プロデューサーが、番組のウラ話や自身の本音を、徒然なるままに語る日記コーナー!
橋本です。
台風が通りすぎて、めっきり秋らしくなりましたね。
まあ、またすぐに猛烈な残暑が盛り返すらしいですが・・・。
しばらくは、静かな秋の風情を楽しみたいと思います。
秋の訪れとともに、「ハンチョウ」シリーズ3も、
残すところ、いよいよあと2回となってしまいました。
来週13日の第11話は、「安積班VS警視庁捜査一課」。
今野先生の安積班シリーズ第1作となる『二重標的(ダブルターゲット)』が原作です。
この『二重標的』が書かれたのは、1988年。
なんと、昭和63年です。
今から22年も前に、安積班シリーズは誕生したんですね。
ハルキ文庫から刊行されている『二重標的』の巻末で、
文芸評論家の関口苑生さんが解説を書かれています。
少し長くなりますが引用させていただきます。
「言うまでもなく、本書はミステリーであるゆえ、
物語の流れとしては、事件が起こり、その犯人なり、
動機なりを刑事たちが追っていくという道筋となる。
そこで犯人が判明して手錠をかけるところで物語が終わっても一向に差し支えない。
またその過程における、犯人逮捕にいたるまでの推理やら捜査の状況を描くだけでも読者は納得するかも知れない。
だが、今野敏はあえてそうした方法はとらないのであった。
そのことがこのシリーズの新しさであり、作者が目指したものであったのだ。
ここに描かれる刑事たちは、わたしたちと同じように悩み、苦しむ普通の人間なのである。
ひたすらに事件のことだけを考え、犯人を追い、それだけを目的としてわき目もふらずに邁進するロボットのごとき輩ではない。
ときには部下の心中を察し、同僚のことを思い、家庭の心配もする、どこにでもいるごくごく普通の人間なのである。
もちろん彼らは特殊な世界に属している。
厳然とした階級社会に住み、一般人に対しては特別な権力を持った存在だ。
けれど、そんな立場にいるからこそ懊悩もまた深く、容易に壊れてしまう人々なのだった。
それらのことどもを作者はおりにふれ挿入し、登場人物たちの造形を浮き彫りにしていく。
事件の推移も気になるが、読み進むうちにいつの間にか彼らの心情も気になってくるのである。
もしかすると今野敏はこのシリーズを通して、ひとつの大きな『人間賛歌の物語』を描こうとしたのではなかったか。
今はそんなことを思っている」
まさに、安積班シリーズの原点ですね。
私たちが「ハンチョウ」というドラマでやりたかったことの原点もここにある気がします。
毎回、描ききれない部分や、舌足らずな表現も多々あると思いますが、「ひとつの大きな人間賛歌の物語」を描こうとした初心は、一貫して忘れていないつもりです。
今野先生が安積班シリーズで描きたかった世界に一歩でも近づけるよう、これからも出演者・スタッフの総力を結集して頑張りたいと思います。
って言っても、残りあと2本ですが・・・。
シリーズも終盤に近づくと、ありがたいことに、
皆さんから次シリーズについての問い合わせをいただきます。
これがねえ、会社組織というのはいろいろ手続きやら段取りやらがあって、答え方がむずかしいんですよね。
模範回答としては、
「私たちスタッフも、蔵之介さんたち出演者も、
ハンチョウに関わっている人間全員が、
シリーズ4ができたら・・・と強く望んでいます。
実現に向けて、一丸となって頑張っていますので、
皆さまも応援よろしくお願いいたします!」
これが一番当たり障りが無い答え方だと思います。
でも、せっかく問い合わせてくれた方に対して、
これじゃ、あんまり不親切ですよね。
もうちょっと踏み込んだ答え方としては、
「皆さんのご期待を裏切ることはないと信じています。
ただ、テレビ局というのは情報の公式発表に対して非常に気を使うところがありますので、こんなホームページの片隅の日記なんかでホイホイと情報公開するわけにはいかないのです。
もしシリーズ4をやることが決まったら、もう少し大々的に発表されると思いますので、その日を信じてお待ちください。
私たちも、その日を信じています」
こんな感じでしょうか。
すいませんが、このような表現でお許しください。
その前に、第11話。
第1話に続いて登場する高野警部役の宇梶さんが、
存在感抜群のお芝居を見せてくれます。
第11話もぜひ、お楽しみに。