人物デザイン・柘植伊佐夫が語る『ヘブンズ・フラワーの世界』

第6回「第七地区より〜ロケ現場から〜」

第七地区のロケ現場にて

実は今、このコラムを、第七地区のロケ現場 で書いてます。どこで撮影がされているかは伏せますけれども、とにかく殺伐としていますね。とても広い敷地なんですが、破壊し尽くされています。まぁ、これなら 「 2047事件は大変だったんだろうな 」 って気にさせていただけます、はい。

ええと、状況を説明させていただきますと、現場ではこれからの撮影のテストを行ってますね。今日までの進行状態はもう随分進んでいて第十話の撮りをやってますよ、ふふ。で、「 ベース 」 と呼ばれる、カメラに映り込まないようにですね、ひっそりと隠れるようにして、演出、技術、録音部がモニターを設置して、こう、撮影が始まったらスタッフはそれに対して目を皿のようにして、食い入るように見ているわけですね。細かくチェックしているわけです、画面を。ところでこの場所、ムチャクチャ寒いです。詳細は言えませんけど、相当重要な場面をやってます、今。

シーンによって出番の役者、出番ではない役者があるわけで、それは日によって違うわけですが、今日はかなり役者が揃っています。アイ、真中、シオン、ナルキ、ラン、シャオガンと現場のテンションは上がっています。やはり人間が生み出すものなので、一種のマンパワーっていうか、人間同士のシナジーの力っていうか、そんなものを感じますね。形あるものを生み出していますが、そのためには目に見えないものを大事にしなければならないんだなぁ、ってそんなこともしみじみ感じたりします。しかしこの PC 画面からふと目を上げて見ると、やはりすごい廃墟です。そんな、現実に存在しているところで、この架空の世界の、第七地区は生み出されているんですね。

スペシャルtopへ戻る