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水曜劇場 夫婦道

水曜よる9時


ザ・お茶道

番組でお茶指導を担当する“極茶人”比留間嘉章氏が、お茶に関するウンチクやよもやま話を紹介するコーナー。ここをチェックすれば“お茶ツウ”になれる!?

第5回目のテーマ お茶の作り方について[その1]

煎茶の作り方1

茶摘み(摘採)された茶葉を加工する工程ですが、茶葉を蒸す「蒸熱(じょうねつ)」からスタートして、蒸した茶葉の冷却後に行われる「粗揉(そじゅう)」「揉念(じゅうねん)」「中揉(ちゅうじゅう)」「精揉(せいじゅう)」という茶葉を揉む4段階の工程を経て、乾燥させると、一般的に販売される煎茶の原型となる「荒茶」と呼ばれる状態になります。

この「荒茶」の段階では形が不揃いなので、これを「整形」してから、仕上げの「火入れ乾燥」を加えた後に煎茶や茎茶、芽茶、粉茶などに「選別」がされます。それらを包装したものが、お店で売られてみなさんの手元に届くのです。

このように、茶摘みから飲用の茶葉になるまでには、ざっと数えて10つの工程があります。それらの工程を説明すると、以下のようになります。

■蒸熱(じょうねつ)
蒸熱をする大きな目的は、茶葉の中にある酸化酵素の活性を止める(発酵を抑制する)こと。また、加熱することで茶葉の色味をよくするほか、味や香りも左右されるといわれ、製茶加工の重要なポイントとされています。 蒸熱する時間は、通常で20〜45秒程度、深蒸しで60〜120秒が目安となっています。蒸す時間が長いほどコクが加わり、その逆に、蒸す時間が短いと香りが強くて、すっきりとした味わいとなります。

■冷却
蒸熱された茶葉をそのままにしておくと色合いや風味が劣化するので、蒸熱後は風を当ててすばやく冷却します。冷却することで、茶葉の発色や風味を保持することができるのです。またこの冷却では、茶葉の表面に付いた水分を取り除くことも兼ねています。

■揉む
冷却した茶葉は、次に「揉む」作業に移りますが、この揉む工程には「粗揉」「揉捻」「中揉」「精揉」の4段階があります。それらを簡単に説明すると、以下のようになります。

・揉む[その1]粗揉(そじゅう)
冷却した茶葉を「揉む」第一段階。熱風を送りながら攪拌し、揉んで圧力を加えることで、茶葉を柔らかくして、水分を飛ばします。この「粗揉」工程を短縮するために、「葉打ち」という作業をする場合もあります。

・揉む[その2]揉捻(じゅうねん)
茶葉の組織を壊さない程度の圧力をかけながら、揉んでいく工程です。なお、ここでは加熱しません。

・揉む[その3]中揉(ちゅうじゅう)
再び熱風を当てながら、茶葉を揉みほぐす工程です。

・揉む[その4]精揉(せいじゅう)
熱風と圧力を加えながら形を整えつつ、乾燥させていく工程です。この段階で、茶葉が針のように真っ直ぐなるよう揉んでいきます。

■乾燥
「精揉」した茶葉を熱風で乾燥させます。水分含有量を5%程度になるまで乾燥させることで、お茶の香りが引き立つようになります。また、ここまでの工程でできた茶葉を「荒茶」と呼びますが、この「荒茶」が一般市場に出回ることはありません。みなさんが飲むお茶は、この「荒茶」をさらに加工する「仕上げ加工」を経て、商品として店頭に並ぶのです。

比留間嘉章(ひるまよしあき)プロフィール

1977年に「茶の世界」に入ると、深蒸し茶の製造を中心に手揉み茶、微発酵煎茶の製造に取り組む。氏が作り上げた究極の淹茶法「八重奏(ヤエノカナデ)」は「これがお茶の味か!?」と、誰もがビックリするはずだ。
全国手もみ茶振興会理事、埼玉県手揉茶保存会会長、狭山火入れ保存会会長、全国手もみ茶振興会認定師範、
日本特産農産物マイスター「手もみ製茶」、日本茶業中央会認定「日本茶インストラクター」
HP「極茶人のこだわり」http://hiruma-en.ddo.jp/