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BACK NUMBER #726 2020.8.1 O.A.

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神奈川フューチャードリームス!夢を追い続ける男達【後編】
独立リーグの新球団「神奈川フューチャードリームス」。選手はNPBの球団から戦力外を受けたり高校・大学時代にプロから声がかからなかった過去を持つ。資金が豊富なNPBの球団とは異なり、環境は過酷そのもの。決して恵まれているとは言えない環境でも打ち込めるのは、皆にNPB入りという大きな目標があるからだ。そのNPB入りに人一倍執念を燃やすのが、エースピッチャーの前田大佳。その胸には、或る男の言葉が、今も突き刺さっている。栃木ゴールデンブレーブスに所属していた時のこと。大学時代ケガで満足にマウンドに立つことが出来ず、本来の力を出せない悔しさを抱えたまま卒業した前田は、速いストレートを取り戻しさえすれば、必ずNPBに行ける。そう信じ、栃木GBに入団。速球勝負にとことんこだわった。力強いストレートで打者をねじ伏せ、個人成績も上がった。だが、そんな前田に激しい怒りをぶつけてきた一人のチームメイトがいた。それは、当時栃木GBに在籍した元巨人の4番・村田修一。村田は、前田にこう言い放った。「お前は、チームを勝たせたいのか、それとも150キロを投げたいだけなのか」雷に打たれたかのような衝撃だった。「お前はもう大学生じゃない。プロのスカウトは、ただボールが速いだけでなく、お前がどれだけチームを勝利に導くピッチングが出来るかを見ているんだ。」前田は自分の思い違いを厳しく指摘してくれた大先輩・村田の言葉を、今も大切に噛みしめている。新型コロナウイルスの影響で、一時チームとしての活動は休止していたが、6月に入り全体練習を再開することが出来た。オープン戦では、チームは好調を維持していた。だが、開幕戦直前、チームに思わぬ落とし穴が…8点リードで最終回を迎え、クローザーの伊藤克がマウンドへあがる。しかし、ヒットとフォアボールでいきなりノーアウト満塁のピンチ。あっさりと連打を浴び、この回だけで4失点。クローザーとして不安を残す結果に。伊藤は野球人生の崖っぷちに立たされていた。23歳と若いながら、今年NPBに行けなければ野球を辞める覚悟だ。その理由は伊藤の家庭環境にある。伊藤の両親は伊藤が幼いころに離婚。母・美紀さんは女手一つで息子を育てた。小学1年生で野球を始め、将来はプロ野球選手を夢見ていた伊藤。そんな息子の夢は、いつしか母の夢になった。伊藤の野球センスは抜きんでていた。打ってよし、投げてよし。中学では全国大会に出場、横浜高校をはじめ、数多くの強豪から誘われるほどの存在に。しかし、中学生で遊びに夢中になってしまい、野球への情熱を失ってしまった伊藤は、高校にも進学せずに、建設現場で働く事に、野球とは無縁の日々を過ごした。しかし、同い年の横浜高校の選手たちが甲子園で活躍する姿を見た伊藤に気持ちの変化が…。「もう一度野球をやろう」忘れかけていた情熱が蘇った伊藤は、地元のクラブチームで野球を再開、必死にブランクを埋めると、2年後の2016年に独立リーグのトライアウトに見事合格。徳島インディゴソックスに入団を果たした。これを機に、美紀さんは遠く離れた息子への仕送りを開始。看板製作の事務員として生計を立てる美紀さんに余裕はなかったが、時には、神奈川から徳島まで出向き、食事の世話や、部屋の掃除をするなど、息子の野球を応援してきた。すると伊藤は、最速147キロのストレートと多彩な変化球を操り、入団1年目でMVPを獲得するなど大活躍。だが、徳島で過ごした3シーズンでNPB入りは叶わなかった。そして、地元・神奈川に誕生した神奈川フューチャードリームスに移籍。応援し続けてくれた母のためにも、何としても結果を出さなくてはいけない。2020年の公式戦が2か月遅れで開幕した。母は自宅から、息子の試合を画面越しで観戦。チームにとって球団創設初の公式戦を勝利で収めた。
逆境の中、夢を掴むため日々戦い続ける男達。番組では、そんなチームの更なる飛躍を見守りたい。
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