バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #708 2020.3.21 O.A.

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日本人最速ランナー 大迫傑 激闘を制した男の強さの秘密に迫る
2020年3月1日。東京オリンピック代表選考レース。東京マラソンで、この男が脅威的な走りを見せた。大迫傑28歳。自身の日本記録を21秒更新する、2時間5分29秒の快進撃だった。大迫はこのレースで、自身2度目となる日本記録更新。男はなぜ、これほどの強さを誇るのか。そこには、後半の脅威的なペースがあった。レースの終盤に驚くべき強さを発揮するのだ。このレース終盤に見せる脅威的な大迫の強さはどこからくるのか。男のトレーニングに潜入取材を試みた。向かったのは、アメリカ・オレゴン州ポーランド。ナイキの本社が男の拠点だ。今や、世界のマラソン界を席巻する「厚底シューズ」を作り出した世界的なスポーツブランド。そんなナイキにあるのが、「オレゴン・プロジェクト」そこにはオリンピック、世界陸上合わせて10個もの金メダルを獲得した、モハメド・ファラー。リオオリンピックのマラソン銅メダリスト、アメリカのゲーレン・ラップなど、世界のトップランナー12名が在籍。2001年に設立された、世界最高峰の長距離チームだ。そんなチームに大迫は参加している。そのきっかけが、大学3年生の時に見た、フィラーの走りだった。10000mに加え、5000mでも金メダルを獲得。他を圧倒する姿に目を奪われた。そして、2013年当時大学3年生だった大迫は、10000mで日本人学生最高記録を更新。自らチーム入りを志願した結果、将来性を見込まれ、アジア人初となるチーム入りが認められたのだ。そんなエリート集団で、大迫はどのようなトレーニングを積んでいるのか。まず、大迫の足の動きから、背骨、骨盤に至るまでチェックを重ねる動作解析。骨盤のズレはスピードに影響するため、わずかな数値も見逃さない。洗い出された大迫の課題をトレーニングに落とし込んでいく。全身におよぶ筋力トレーニングは、週に3日行われ、腹筋や背筋、さらに、腕の筋力など、一日のメニューは30種類にも及ぶ。こうした、筋力トレーニングは、日本のマラソン界ではほとんど取り入れられてこなかった。だが、ここでは、このトレーニングこそ、世界を獲る上で、欠かせないメニューだ。筋力の持久力を高める為、あまり負荷を掛けずインターバルを短く取りながら、メニューを消化していく。そしてランニングメニューでは、様々なコースを走る。走り終えた後は、特設プールでのトレーニング。水中のランニングマシンで走り込み。前面から水流を流すことで、フォームや体幹を鍛えられる。さらに自宅に戻ってもトレーニングは欠かさない。食事も自ら作る。大迫がこだわっている食材は豆腐。タンパク質が多く、持久力の維持や、疲労を抑える役目を持っている。こうして大迫はマラソン漬けの日々を過ごしている。どうすれば、速く走れるのか。人一倍強い探求心を持ち合わせていた。そして、2018年フルマラソンデビューから3戦目で衝撃の走りを見せ、日本人では誰も到達できなかった、2時間5分台をマーク。途轍もないスピードで、進化を遂げていったのだ。どんな状況でも勝てる力。大迫がオレゴンで身に着けた力を最も発揮したのが、2020年3月の東京マラソンだった。自身の持つ日本記録を21秒更新する、2時間5分29秒でフィニッシュを決めた。2015年のアメリカ移住から5年…最高の形で出した結果だった。これで、東京オリンピックの代表内定を決めた大迫。その飽くなき探求心でさらなる飛躍を遂げた男の活躍に期待する。
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