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BACK NUMBER #707 2020.3.14 O.A.

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東京五輪で金メダルを!柔道 大野将平/阿部詩
日本発祥の競技、柔道。その、最も美しき勝ち方は、一瞬で、勝負を決める、一本勝ち。相手の道着を、両手で持ち、正しく組んで、技をかけるそんな、美しき、本来の日本柔道に、誰よりもこだわる男がいる。男子73kg級の大野将平28歳。2016年のリオ五輪では、決勝までの5試合のうち、実に4試合で鮮やかな1本勝ち。近年世界では、相手を警戒して組み合わなかったり、力任せの寝技でポイントを狙ったりする柔道が浸透する中、大野は小細工せず両手で正しく組み合い、投げる。得意の内股を武器に王道の正統派な柔道で世界に衝撃を与えた。柔道家・大野将平が目指すもの…『圧倒的な力』大野がたどり着いた答えは常識を超えた挑戦だった。それは体重制限がなく試合が行われる無差別級への出場。重量級相手にも大野の本来の柔道スタイルでぶつかった。リオ五輪の翌年に行われた全日本選手権では自身の体重より20kgも重い相手に挑み1本負け、およそ2年ぶりに敗戦した。それでも自分の柔道スタイルを貫いたことに後悔はなかった。重量級の選手の圧力・強さを肌で体験したことで、自身の力不足を痛感した大野は、自分の柔道スタイルを徹底的に鍛え直した。さらに肉体改造にも着手。あの敗戦で悔しさを味わったからこそ、より一層強くなったのが、勝ちへの執着だった。2019年8月世界選手権。オリンピック前哨戦として位置づけられる今大会に73kg級で出場した大野。2回戦から登場し、優勝を決めるまでの6試合全て1本勝ち。リオ五輪から3年絶対王者はさらに進化した姿を見せつけた。
女子柔道界にも東京五輪で金メダルを期待される、若き世界女王がいる。阿部詩19歳。阿部の52kg級は五輪で唯一金メダルを獲得出来ていない階級で、金メダルは日本柔道界にとって悲願だ。期待を背負い体重差30kg以上の選手との練習。納得のいくまでとことん続ける。さらに男性コーチを相手にひたすら投げ続ける。この常識外れの練習を積み重ねた結果…詩の代名詞と言われる大技が生まれた。両袖をがっちりと握り、そして吊り上げ、投げる。袖釣込み腰。この必殺技を武器に2016年の国際大会デビューから、およそ1年半の間、外国人選手にはなんと48戦負けなし。しかし2019年の大会で詩は柔道人生最大の屈辱を味わうことになった。決勝まで危なげなく一本勝ち、しかし五輪出場がかかった大一番。これまで以上に重圧がのしかかる。決勝は延長までもつれ込み相手の技ありで敗戦。外国人選手に人生初の敗戦を喫し、畳を降りる前から阿部の目には涙が。この敗戦から、詩は試合映像を何度も見返し敗戦を分析。結果、自身の得意技がかけられなかったのは、相手に袖を掴まれたことで、技をかける際の組手が充分に出来ていなかったことが分かった。組手の基礎練習を徹底的に繰り返した。さらに、メンタル面を指導する講師に重圧との向き合い方を教わった。そして敗戦から3か月後の大会。優勝すれば、東京五輪出場が決定的となる。決勝での相手はあのとき敗戦した選手。またしても延長戦までもつれ込んだ。詩は果敢に攻め、見事勝利。あの悔し涙から3か月…因縁の相手に雪辱を晴らし東京五輪出場を決めた。
東京オリンピックで金メダル。そんな大きな目標以上に、二人の柔道家が、美しい日本柔道を、世界に知らしめることを願っている。
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