バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #648 2018.12.15 O.A.

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日本人初の4階級制覇へ 世界的名トレーナーと結ばれた固い絆
2018年9月、突然の引退表明から1年5ヶ月ぶりに戦いのリングに戻った男がいる。常に世界の場で戦い、3階級を制した日本ボクシング界の絶対的王者・井岡一翔(29)。そこでのボクシングスタイルは、まるで別人のような超攻撃的なものだった。そんな男が大晦日に日本人初の4階級制覇へ。そんな前人未踏の偉業達成に欠かせない男がいる。これまでに幾人もの世界王者を育ててきた名トレーナー、イスマエル・サラス(61)。これまで指導した世界王者は21人。引く手あまたの名トレーナーだ。
1957年、キューバの生まれ。10代のころからボクシングトレーナーを志し、21歳で始めると、その才能はすぐに開花。わずか2年で教え子をモスクワ五輪の金メダリストへと導いた。その卓越した指導力を武器に、戦いの場をプロの世界に転じ1996年には4人の世界王者を抱える唯一人のトレーナーとしWBAのトレーナー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、その名を馳せた。そんなサラスが井岡と出会ったのは、今から16年前、井岡が中学生のとき。井岡の叔父・弘樹がボクシングを始めた甥・一翔の指導をサラスに依頼したのだ。世界的トレーナーであるサラスが、まだ中学生の井岡の指導を引き受けたのには、ある理由があった。実はサラスは叔父・弘樹が悲願の3階級制覇に挑戦した時のトレーナーだった。しかしその挑戦は失敗。その年に現役を退いた。サラスにとってそのことがとても心残りだった。次こそは“世界チャンピオンにする”。そんな思いで井岡を指導し始めた。サラスが井岡に課したのは500m×10本を全力疾走。世界戦を戦いぬく体力を若いうちから叩き込んだ。そして指導を始めて9年目の2011年、井岡が21歳の時についに井岡が世界タイトル戦に挑んだ。中学生の頃からサラスの教えを受けていた井岡はチャンピオンを相手に圧倒。見事KO勝利をもぎ取った。
2018年8月、井岡は拠点を置くアメリカで、サラスと再会した。日本人初の4階級制覇を目指す井岡から依頼を受けたのだ。サラスは過去、井岡のために立てたファイトプランがある。その内容は徹底的に練り上げられ、攻撃のパターンの多さが目を引く。コンビネーションの組み合わせが7種類。カウンター攻撃が9種類。井岡のサラスへの信頼は絶大だ。事実、2018年9月に行われた復帰戦でも、7年ぶりのタッグにも関わらず、セコンドから聞こえるサラスの言葉を忠実に守って戦っていた。今回も4階級制覇の戦いに向け、サラスは対戦相手の映像を毎日欠かさず見返す。対戦相手は井岡と同じく4階級制覇を狙うドニー・ニエテス。世界タイトル戦、18勝無敗。10年間王座を守り続けているフィリピンの伝説的チャンピオン。間違いなく過去最強の相手だ。
大晦日、夢の4階級制覇へ挑む井岡と世界的名トレーナー・サラス。16年越しの師弟愛が大きく花開くことを願っている。
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