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BACK NUMBER #646 2018.12.1 O.A.

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人気力士が大ケガで引退危機…妻子に支えられ復活を目指す激動の日々
大相撲11月場所、小結・貴景勝が22歳3か月の若さで初優勝を果たした。そんな若者の躍進の裏で、35歳のベテラン力士が壮絶な戦いを繰り広げていた。かつて大関まで期待された元関脇・豊ノ島。33歳の時に大ケガに見舞われ、幕下まで陥落するという地獄を味わった。2年に及ぶ幕下から抜け出せない日々…。「引退」という土俵際まで追い込まれていた。そんな彼の復活を誰よりも信じ、支え続けたのは愛する家族。返り咲きを目指す豊ノ島と家族の激闘の日々を追った。
11月場所初日、十両土俵入りに館内から大きな声援が送られた。幕下以下には土俵入りがない。2年ぶりの化粧回し姿に送られた声援の中には豊ノ島の家族の声もあった。
2002年、18歳の時に初土俵を踏んだ豊ノ島。同期となる横綱・稀勢の里や琴奨菊と凌ぎを削り、21歳で幕内昇進を果たした。闘志溢れる取り口と愛くるしい風貌で一躍人気力士となった豊ノ島は、関脇まで昇進すると、歌手デビューしたばかりの女性と結婚。翌年、長女も誕生し充実した土俵人生を送っていた。しかし2016年、家族の人生が一変する出来事が豊ノ島を襲った。出稽古に来ていた逸ノ城と稽古をしているとき、右足に激痛が走った。アキレス腱断絶。すぐに手術となったが、二場所連続休場、幕下陥落が確実となった。戦後、幕下まで陥落した関脇経験者のうち、再び十両以上に戻ることができたのは、12人中3人のみ。他すべての力士が陥落後、半年以内に引退している。この時すでに33歳。残された現役生活は決して長くない。豊ノ島は相撲人生を大きく左右する窮地に追い込まれた。妻・沙帆さんは、夫に前向きな言葉をかけ続けながら、リハビリの映像を記録として撮り続けた。豊ノ島自身も必死に回復を目指した。なぜなら家族を抱える豊ノ島には、1日でも早く返り咲かなければならない理由があったのだ。十両以上は関取と呼ばれ、月給100万円以上が支払われるのに対し、幕下以下は力士養成員として扱われ、給料がもらえないのだ。しかしケガから4か月後、関取復帰を目指す豊ノ島に新たな試練が襲った。今度は右足ふくらはぎの肉離れ、大ケガをした左足をかばったことが原因だった。豊ノ島の心は砕けた。引退を胸に秘め帰宅した豊ノ島。すると当時4歳だった長女・希歩ちゃんが「絶対に相撲辞めないでね」と声をかけた。気づけば34歳となり、関脇経験者たちの年齢を上回っていた。しかも力士として給料の出ない生活が2年近くに。これ以上負担をかけられない。豊ノ島は引退する覚悟を妻に伝えた。しかし、豊ノ島の全盛期を知る妻は、夫の心の奥底を見抜いていた。妻の激励を受けた豊ノ島は、翌場所から3場所連続勝ち越し。そして2018年9月場所、勝ち星を積み上げた豊ノ島は、関取の地位を取り戻す大一番を制し、ついに関取復帰を果たした。そして11月場所、ついに十両への復活をとげた豊ノ島だったが、決して満足などしていなかった。十両での番付は、下から2番目の13枚目。負け越せば再び幕下陥落の危機となるのだ。勝負の場所を前に豊ノ島を癒してくれたのはやはり家族だった。10日目を終えて7勝3敗。そして11日目、反撃を許さない押し相撲で、十両残留を確定させた。その後も白星を積み重ね、11勝4敗と大きく勝ち越す堂々たる結果を残した。
何度も相撲人生の土俵際に立たされても、踏みとどまり、前を向き続けて来た豊ノ島。支え、信じてくれる家族と共に幕内復帰のうれし涙を流す日が来ることを願っている。
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