バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #645 2018.11.24 O.A.

バックナンバー
小さな村のクラブチームが国内トップリーグに昇格!
雑草軍団の挑戦[後篇]
2018年10月、バレーボールの国内トップリーグ・Vリーグが開幕した。そこに小さな村から誕生したチームがある。『VC長野トライデンツ』。大手企業から支援を受けるのではなく、長野県の企業や地域の人々に支えられながら運営しているクラブチームだ。在籍するメンバーは有力実業団チームから戦力外通告を受けた者や、勧誘さえも受けなかった選手たち。チームから給料の支給はなく、市役所や地元の工場などで仕事をして、各自収入を得ながらバレーをしている。そんな男たちを束ねているのが33歳の笹川星哉だ。監督でありチームを運営する会社の社長でもある。
2018年春、トップリーグへの昇格は地元・長野で大々的に報道された。笹川が監督を務めて10年。6人からスタートした小さな村のクラブチームは3部リーグで優勝、そして2部リーグでも好成績をおさめ、念願の1部リーグ参入を果たした。リーグが開幕するまであと半年。監督の笹川にとって、得点力不足を克服することが一番の課題だった。このままでは日本代表クラスを揃える実業団チームには対抗できない。そう考えた笹川はある有名コーチに白羽の矢を立てた。元イラン代表・アーマツ・マサジェティ。アーマツは日本代表のコーチを務め、細かな技術指導には定評があった。そして何より笹川は、1部で戦っていく上で、自分の指導力では足りないことを自覚していた。選手の実質的な指導はアーマツに任せ、自らは起用法など、サポート役に回ると決めた。6月、アーマツが初めてチームに合流。アーマツが取り組んだのはブロックアウトの徹底。平均身長の低いトライデンツの選手が力任せに強いスパイクを打っても、背の高い相手ブロッカーにまともに返されてしまう。スパイクをあえて相手のブロックに当てて外に出し、ポイントを稼がせるのが狙いだ。アーマツの改革に手ごたえを感じる笹川は、攻撃専門のエースである森崎を守備もこなすサイドアタッカーのポジションへと変更させた。
開幕直前の2018年10月26日、地元・長野での開幕を翌日に控えた笹川は、朝から会場の準備に追われていた。監督でありながら社長としてホームゲームの運営の責任も担う。そして開幕戦当日、前年チャンピオンのパナソニックパンサーズを迎え、笹川は控え室で選手たちに声をかける。過酷な環境を強いられながらもトップリーグ昇格を果たした男たちが、いざ夢のコートへ。結果は3-0のストレート負け。1部のトップチームの実力をまざまざと見せつけられた。翌日の2戦目、相手は大分三好ヴァイセアドラー。病院を母体に持つ実業団チームだが、トライデンツと同じ昇格組。実力は伯仲していた。『村の人々に勝利を届けたい』その一心でチーム一丸となる。笹川のもと『打倒・実業団』の精神でチームは進んできた。そんな彼らに運命の瞬間が。見事3-0で勝利。小さな村から生まれたトライデンツが創設10年で国内トップリーグで悲願の1勝を成し遂げた。
下剋上を狙い、小さな村から生まれたバレーボールチーム・VC長野トライデンツ。これからどんな困難が待ち受けていようが、男たちの熱き思いで乗り越えて行くだろう。
[BACKNUMBER]
banner_AD
Loading…

SNS

TBSトップページサイトマップ Copyright© 1995-2021, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.