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BACK NUMBER #634 2018.9.8 O.A.

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女性指揮官たちの選手育成の極意/中田久美×井村雅代
まもなく開幕する世界バレー女子大会。日本のお家芸といわれた女子バレーの復権を託されたのは中田久美(53)。中田は若い時からチームの中心であるセッターを務め、全日本を牽引した往年の名選手だ。いかに若い選手を育て上げるのか、監督就任から2年、その難題と向き合い続けてきた。34年ぶりの女性監督として就任し、大きな期待を背負いスタートをした全日本だが、その船出は厳しいものだった。思うような結果が出せない、東京五輪まで時間がない。そんな中田が、どうしても会いたいと熱望した1人の女性指導者がいた。五輪で実に9大会連続で日本にメダルをもたらせてきた日本シンクロの母・井村雅代(68)。日の丸を背負う女性指揮官の苦悩。2人が語った選手育成の極意とは?
現在の全日本チームの平均年齢は27歳。現役引退から22年が経ち53歳となった中田とは、親子ほどの年齢差がある。中田は1980年にわずか15歳で全日本入り。選手時代は徹底的に叱られて育った世代だ。しかし、時代が変わり、何かと指導方法が問われる昨今、いかに今の若者と向き合うべきなのか。
<現代の若者への教え方>
中田「今の選手って難しいじゃないですか」。
井村「確かに難しい。前の選手とは言いたくないが、比べると全然違う。自分が選手だった時を引き合いに出して、何で出来ないのと言ったって無理です」。
中田はロサンゼルス・ソウル・バルセロナと3回の五輪出場を果たしている。そんな中田に
井村「あの辺の選手は頭ごなしOKですよ。『違うだろ』と言ったら、先生は何を言いたいのだろうと周りを見て、これが違うんだと自分で考える。同じことを今の選手に言うと『私はダメなんだ』となる。技術のことを言っているのに、全否定されたと取る」
厳しい指導方法で知られる井村だが、時代の変化に対応する、叱るだけではない井村流の考えがあるという。
井村「こうこうだから、こうですよと言って聞かせる。『我慢』の一言ですよ。その選手で勝負をかけていこうと思ったら、その選手を上手しなければね」。
<選手の才能を見出す方法>
女子バレーも、シンクロ改めアーティスティックスイミングも、2年前の五輪から多くのメンバーを入れ替えている。2人の指揮官は、どんな基準で選手を選ぶのか?
井村「自分の限界を決めていない子。『もっと行けるんだ』と思える選手。」
中田「そうですね。その子を頑張らせるための選手のモチベーションの上げ方であったりは、やっぱり厳しく?」
井村「たまに『出来るじゃん』とかって褒める。褒め称えて褒め称えて『次やってご覧』て。『あんだけ褒めたのにまだあるの?』って。やっぱり人間思ってしまうんですよ。でも次にステージを示し続けてあげることがコーチの仕事だと思っているんです。」
中田「『こういうことが出来るのではないか』ってリスクをちゃんと背負ってチャレンジしていく選手は、私は本当に伸びていくのかなと思う」
<監督としての心構え>
井村「最終的に責任を被ろうと思ったことは周りに相談しない。だからすごく孤独です。最後の決断の責任を持つのが大きければ大きいほど孤独です。孤独が嫌だったらこんな立場辞めた方がいいと思います。」
中田「だと思います。でも嫌じゃないんですよね。大変なんですけど、苦痛じゃない」
<東京五輪への思い>
東京五輪まであと残り2年。
中田「もっとワクワクしていながらやってもいいのかなって。挑戦するって苦しくて大変なことですけど、すごくやりがいのあることだと思うし、失敗という言葉が先に来ちゃうと何もできなくなっちゃうと思うので。挑戦する。とにかく自分の限界を超えるくらい没頭したい。しなければいけないなと。」
井村「やりがいのある仕事ですからね」

もがき苦しみながら戦い、頂点を目指すのは選手だけではない。日本のお家芸と言われた女子バレー復活へ。中田久美監督と選手たちの飽くなき戦いは続く。新たなる歴史の1ページ開くために。
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