バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #630 2018.8.11 O.A.

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2度の戦力外通告からの復活 中後悠平 激動の野球人生
例年プロ野球・各球団は、7月末の支配下登録期限前に複数トレードなどで優勝目指して補強を行う。2018年、3年連続のクライマックスシリーズ出場を狙う横浜DeNAはシーズン途中の入団テストを行った。テストに呼ばれたのは中後悠平、28歳のサウスポー投手。
近畿大学の絶対的エースとして学生野球界の注目選手だった中後は、2011年、千葉ロッテにドラフト2位で入団。中後は、開幕からベンチに入り、デビュー戦となった東北楽天戦ではリリーフとして登板。満塁のピンチを見事切り抜ける投球を見せ、チームの期待に応えた。しかしデビュー4か月目、肩を痛めてしまう。その後、本来の投球を取り戻すことができずに入団4年目、26歳で戦力外通告。それは余りにも残酷なタイミングだった。結婚したばかりの妻は1か月後に出産を控えていたのだ。何としても新しいオファーを勝ち取る。そう意気込んで挑んだトライアウトだったが、持ち味を発揮することができずに終わり、プロ野球復帰は叶わなかった。
その後、失意の中後に、予想だにしなかった出来事がおこる。メジャーリーグのアリゾナ・ダイヤモンドバックスのスカウトが中後に興味を持ち、マイナー契約を結ぶことになったのだ。夢を追いかけ、単身アメリカに渡る中後。スタート地点は、8軍であるルーキーリーグ。月給は平均12万円ほど。しかもシーズン中である4月〜8月までしか支給されない。まさに最下級からの生き残りをかけた戦いだ。中後の気迫の投球は、このクラスのバッターでは手も足も出ない。渡米してから4か月、メジャーのすぐ下、3Aまで駆け上がった。しかしここでも月給は平均25万円。もちろん満足する訳にはいかない。ここから中後は13試合連続無失点と、いつメジャーに昇格してもおかしくない活躍を見せ、1年目のシーズンを終了した。そして、メジャー挑戦3年目の2018年、中後はある危機感を持って迎えた。6月の時点で防御率6点台。いつクビを切られてもおかしくない状況だった。そして6月18日、戦力外通告。メジャーリーガーへの夢を絶たれた。野球を続けたい。しかし、もう諦めなければならないのか?そう考え始めた矢先、横浜DeNAがテストを行いたいとオファーをしてきた。横浜DeNAは左のリリーフピッチャーの補強を考えており、契約解除となった中後に魅力を感じていたのだ。そして6月29日、契約解除から11日目、異例であるシーズン途中の入団テストが行われた。テストに受からなければ野球人生はそこで終わる。3人のバッターに対しての投球。即戦力として使えるのか見極める。結果は7打席対戦し、三振2つ、ヒット性の当たり1本に抑えた。合否は後程、電話で伝えられることになった。すると、自宅に向かっている途中、電話が鳴った。中後は、見事合格した。
2018年7月4日、横浜DeNAは、中後獲得を発表。線番号91。年俸は500万円。そして、その16日後、実に1421日ぶりに一軍のマウンドに登った。
リーグは違えど、再び日本野球界に戻ってきた中後悠平(28)。戦力外通告からメジャーリーガーを目指したその不屈の魂が、混戦のセ・リーグにどんな輝きを見せるのか見守りたい。
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