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BACK NUMBER #626 2018.7.7 O.A.

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プロ野球からの転進・木村昇吾(38)前代未聞の挑戦
これほど意外な第2の人生を決断した元プロ野球選手がいただろうか。2017年、西武ライオンズから戦力外通告を受けた木村昇吾(38)。日本ではあまり馴染みがないが、世界では超人気スポーツ『クリケット』への挑戦だ。
ワンバウンドのボールを打ち返し得点を競う、イギリス発祥の競技クリケット。現在、世界24か国でプロリーグが存在し、競技人口は1億5000万人を超えるワールドスポーツだ。そのトップリーグに集まる選手の平均年俸は、メジャーリーグに匹敵する4億3600万円。そんな夢の世界を目指し、インドや東南アジアでは、幼い頃からクリケットを始める子供たちも多い。だが、これまでプロになった日本人選手はまだいない。
木村昇吾は1980年生まれの元甲子園球児、大学を経てプロ野球入団を果たした松坂世代。抜群の守備力で、控え選手ながら最高年俸4000万円を手にした、チームに欠かせない選手だった。プロ13年目にレギュラーでの出番を求めてFA宣言。しかし、手を上げる球団は現れず、異例のテスト入団で西武に行くこととなった。だが、西武での2年間は更に出場機会が激減。ついに戦力外通告を受けた。
野球から身を引いて8か月、木村は今、オーストラリアにいる。プロのクリケット選手を目指し、専門のコーチに付き、基本から学ぶ生活だ。まだクリケットでの収入を得られていない為、プロ野球選手時代の蓄えを切り崩している。何故そうまでしてクリケットのプロを目指そうと考えたのだろうか。きっかけはプロ野球選手会からの一本の電話だった。木村なら十分適応できるとの提案に最初は戸惑いを隠せなかったという。しかし、まだ誰もやったことがない挑戦に心が動き、転向を決めた。38歳で新たな競技に挑戦。ルールこそ違うものの、プロ野球で守備の名手として積み上げた技術は大きな武器となる。国内で徹底してクリケットの基礎技術を習得した。
2018年6月、オーストラリアに渡った木村は、プロリーグからのオファーを目指し、現地のアマチュアチームに助っ人として参戦することになった。このレベルを乗り越えなければ、プロなど到底ありえない。悔しさを胸にオーストラリアの自宅で、バットを振り続ける姿は、プロ野球時代と変わらない現役アスリートそのものだ。
戦力外通告から半年、年収30億円も夢ではないクリケットという新たな世界。日本人初の成功に挑む木村の戦いはスタートしたばかりだ。未知の世界に挑むたくましき心。誰も想像だにしなかった新たな時代を切り開く、その時を待っている。
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