バックナンバー:バース・デイ

BACK NUMBER #625 2018.6.30 O.A.

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野球がしたい…胃がん手術からの一軍復帰へ 広島・赤松真人
シーズン中盤に入り熱戦を繰広げているプロ野球。セ・リーグではチーム初の3連覇を目指し、広島東洋カープが首位を独走している。しかし今シーズン、まだ1軍ベンチにある男の姿を見ることが無い。赤松真人(35)。俊足・堅守のチームに欠かせない外野手だ。
2016年、赤松に悪夢ともいえる運命が襲いかかった。人間ドッグで胃にがんが発見されたのだ。25年ぶりのリーグ優勝の喜びからわずか1か月後のことだった。働き盛りの夫に襲いかかった病は、妻の寛子さんにとっても信じがたい出来事だった。翌年1月、がん摘出の手術を受け、胃の半分を失った。さらに手術後、がんがリンパ節に転移していることが判明。抗がん剤治療を半年間行うこととなった。赤松の場合、強い倦怠感と吐き気が点滴を打ってから約1週間続いた。球団の配慮もあり、自宅療養に専念。自宅では、抗がん剤の他、副作用を抑えるものなど、6種類もの薬を飲み続けなければならなかった。野球を奪われ、ただひたすら病と闘う日々を過ごす。そんな赤松には育ち盛りの2人の息子がいる。子どもたちの存在が病と闘う苦しさを和らげてくれていた。そして2017年7月、半年に渡った抗ガン剤治療が終了。検査結果を聞きに病院に向かう赤松の姿があった。もし、悪い結果が出ていれば現場復帰は絶望的になる。主治医の診断結果は『異常なし』。しかし、8か月ぶりに体を動かすと現実を突きつけられた。ランニングをしても足が思うように動かない。こんな感覚は初めてだった。プロ野球界屈指の俊足を誇った赤松の足は、著しく筋力が低下していた。衰えた体をまずもとに戻す。そのための取り組みを自宅でも続けた。しかし、立ちはだかる壁は筋力の低下だけではなかった。手術のため、胃が半分になったことは、食生活にも如実に影響していた。妻・寛子さんは、ほとんどの食材を胃に負担がかからないよう細かく切って料理。多くの栄養分を摂れるよう1品1品の量を減らし、品数を多く出すことを心掛けた。復帰に向け側で子供たちが応援していた。
練習を初めて2か月が経った2017年9月。赤松は走る量を徐々に増やしていた。求められる仕事は、代走や守備固め。そのため全力で走れることが復帰の目安になる。しかし、足の筋力はなかなか戻らず、無理をすればケガに繋がるため、全力疾走はまだできなかった。一軍復帰へ、はやる気持ちを押さえ、チームと別メニューで地道なトレーニングを積み重ねた。そんな赤松を球団も理解を示し、2017年は1年間、全く試合出場がなかったにも関わらず、契約を更改した。そして2018年2月、赤松は2軍キャンプで本格的にチーム練習に参加。3月には2軍戦が開幕し、赤松はベンチスタートだったものの、8回に代走で声がかかった。その瞬間、詰めかけたファンが沸き上がる。1年4か月ぶりの公式戦出場は、全力疾走が求められる。残念ながら、後続が倒れ、赤松の足は見られなかったが、久しぶりの公式戦出場に思わず笑みがこぼれた。
現在、赤松は、毎試合のように2軍戦に出場。自慢の足も全盛期に近づき、全力疾走を見せている。プロ野球史上前例のない、胃がん手術からの1軍復帰。家族に支えられながら赤松は戦い続けている。
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